アン・ジェホン の最新ニュースまとめ
彼にとって光複節での演説はこれが最後となり、内容が注目されていた。演説を受け、韓国メディア各社は内容を分析する記事を掲載した。
ハンギョレ新聞は「北朝鮮に対しては『朝鮮半島の非核化』と『恒久平和』に基づき、南北だけでなく、東北アジア全体の繁栄に貢献し得る『韓半島(朝鮮半島)モデル』を提示した。日本に対しては、解放直後に朝鮮人たちが示した『大胆で包括的な歴史認識』を強調した」と解説した。
その上で「しかし、残る任期が8か月ほどという現実があるためか、直接的で具体的な提案というよりは、今後韓国が目指すべき対北朝鮮、対日政策の大原則を提示することに集中した形となった」と分析した。
ムン大統領は演説で対北朝鮮政策について「朝鮮半島モデル」との言葉を用いながら「たとえ統一には多くの時間がかかったとしても、南北が共存し、朝鮮半島の非核化と恒久的平和を通じて東北アジア全体の繁栄に寄与する『韓半島モデル』を作り出すことができる」と述べた。
1990年に45年の分断を終えて統一を果たした東西ドイツが、普遍主義や多元主義、共存共栄を追及する「ドイツモデル」を作ったことを挙げ、分断した南北も同様に「朝鮮半島モデル」を作れるとの考えを示した。
また、日本に対しては「日韓両国が知恵を集めて困難を共に克服していき、隣国らしい協力の模範を示すことができることを期待する」と述べた。しかし、慰安婦問題や太平洋戦争中の「徴用」をめぐる問題に関しては、「国際社会の普遍的価値と基準に合う行動と実践で解決しなければならない」と述べるも、具体的な解決策は示さなかった。
過去の光復節の演説でムン大統領は、日本に”反省”を求めたり、元徴用工訴訟など具体的な事案に言及したりすることもあった。2019年には「隣国に不幸を与えた過去を省察しなければならない」と述べ、昨年には元徴用工訴訟を取り上げ、「大法院(韓国の最高裁判所)の判決は、大韓民国の領土内で、最高の法的権威と執行力を持つ」と述べていた。
韓国紙・イーデイリーは、こうした過去のムン大統領の演説と比較した上で、今年の演説について「過去の演説で登場してきた『反日』や『克日』のメッセージはなかった」と伝えた。
新聞は、文大統領が演説の中で独立運動家のアン・ジェホン(安在鴻)氏(1892~1965年)の演説内容を引用したことも紹介した。
アン氏はソウル近郊のキョンギド・ピョンテク(京畿道・平沢)で生まれ、日本の早稲田大学政治経済学部で学んだ。卒業後、教師となったが、1919年の三一独立運動に参加したとして逮捕され、3年の獄中生活を送った。
出獄後、韓国紙・朝鮮日報の主筆を務める傍ら、抗日団体などで活動し、日本の植民地支配からの解放後は、朝鮮総督府から行政権を引き受けるために作られた組織「朝鮮建国準備委員会」の副委員長となった。
文大統領は演説で、同委員会副委員長のアン氏が、解放翌日の1945年8月16日に述べた「(日本と)同等で互恵的な関係へと進もう」との宣言を紹介。「植民地民族の被害者意識を越えた、実に大胆かつ法要的な歴史認識」と安氏をたたえた上で、「韓日両国は、国交正常化以降、長年にわたり民主主義と市場経済という共通の価値に基づいて、分業と協力による経済成長を共に成し遂げてきた。それが今後とも両国が共に進んでゆくべき道」と述べた。
ムン大統領の光復節での最後の演説は、対日政策に関して踏み込んだ発言はなかった。これについてハンギョレ新聞は「8日に閉幕した東京五輪を、韓日はもちろん南北の関係を改善する重要な機会にしようとした試み(ムン大統領の訪日)が見送られた中で、任期内に状況を好転させるきっかけを作るのは事実上難しくなったと判断したとみられる」と分析した。
しかし、ムン大統領にはまだチャンスがある。1965年の条約と2015年の合意に関して、「日本との約束を守ります」と宣言することだ。「韓国司法の判決がどのようになっても、韓国政府が責任をもって解決し、約束を守ることを確認します」と宣言することだ。
2017年、支持率アップのために約束を破ることを決めたのはムン大統領。退任後、その決定権を失う前に、約束を破った責任をとり、嘘つきになってしまった韓国を正常に戻すべきである。
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