韓国の毎日経済は、「冷え込んだ韓日関係にも新しい風が吹くことになるか、今から注目される」とした上で、「韓国としては、日本のリーダー交代による外交的機会を生かさなければならないことだけは確かだ」と報じた。
記事は、総裁選に出馬を表明または可能性のある自民党議員のうち、「比較的、韓国に対する理解が高い人物」として、岸田文雄前政調会長、河野太郎規制改革担当相、石破茂元幹事長の3人の名前を挙げた。
岸田前政調会長について「安倍前政権時代、外相を務め、2015年に日韓合意を確認した人物」と紹介した。
同年12月、外相だった岸田氏は韓国外交部(日本の外務省に相当)のユン・ビョンセ外相(当時)と会談し、その後の共同記者会見で慰安婦問題について「最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と表明。
韓国政府が元慰安婦を支援するために設立する財団に、日本政府が10億円を拠出し、両国が協力していくことを確認した。
会談では日韓両政府が今後、慰安婦問題をめぐって双方が非難し合うことを控えると申し合わせ、ユン氏も「両国が受け入れうる合意に達することができた。この場で交渉の妥結宣言ができることを大変うれしく思う」と述べていた。
しかし、韓国がムン・ジェイン(文在寅)政権となり、合意を破棄しようとする動きが強まって、現在も解決の糸口すら見えない状況となっている。
岸田氏は昨年12月、産経新聞のインタビューに「合意は日韓関係の未来にとって重要な合意だった。世界が評価した合意であり、日本は履行すべきことは全て履行している。韓国には合意の内容をしっかり履行してもらい、未来に向けて日韓関係を動かしていくことが大事だ」と語っている。
また、毎日経済は河野氏については「父は(慰安婦問題で旧日本軍の関与を認めた)『河野談話』を出した」と紹介した上で、専門家の見解として「河野規制改革担当相は父とは異なる考え方を持った人物」と伝えた。
別の記事では「安倍前政権で外相、防衛相を務め、韓国人にもなじみのある人物」と論評した。
河野氏は2019年9月、外相として最後の記者会見で、就任からの約2年を振り返っている。日韓関係について「昨年(2018年)夏ごろまでは韓国のカン・ギョンファ(康京和)外相と未来志向で議論し、日韓新時代を作っていく意気込みに満ちあふれていた」としていた。
また、元徴用工訴訟で、2018年10月に韓国大法院(最高裁)が日本企業に賠償を命じた判決により「そうした動きが全て止まってしまったのは非常に残念だった」と述べていた。
石破茂元幹事長については、「日本の政界では『親韓派』の政治家として知られている」と解説されている。同紙の別の記事では「日韓関係改善の必要性を強調してきた人物であるため、石破氏が次期首相になれば、韓日関係改善の手掛かりを見つけることができるとの期待も出ている」と伝えた。
石破氏は昨年1月、東亜日報のインタビューに「首相になれば、韓国の歴史をもっと勉強したい。日本人が自ら過去の責任を明確に検証しなければいけない」と語っている。
一方、韓国は来年3月に大統領選が行われ、新しい大統領が誕生する。両国の新リーダーが関係改善にどのように舵(かじ)を切っていくのかが注目される。
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