韓国はOECD加入国で「自殺率1位」という不名誉な記録も持っている。韓国の10万人に24.6人が自殺で死亡する。OECD平均自殺死亡率(11.0人)の2倍を超える数値だ。
韓国の次に▲リトアニア(21.6人)、▲スロベニア(16.5人)、▲ベルギー(15.9人)、▲日本(14.7人)、▲米国(14.5人)の順で自殺率が高くなっている。
大半は精神健康問題(34.7%)や経済的問題(26.7%)が主な自殺原因だ。その他に肉体的疾病問題(18.8%)、家庭問題(8.0%)、職場や業務問題(4.5%)などとなっている。
精神疾患者は8.6倍、慢性疾患者は2.6倍も自殺の発生率が高い。うつ病や睡眠障害、不安症による自殺率が高く、この疾患者は特に注意する必要がある。
インジェ大学イルサンペク病院・精神健康医学科のイ・ガンジュン教授は「うつ病は否定的で悲観的な考え方に陥り、歪んだ認知を持たせる。自分を無能で価値のない存在であるという自己卑下的な考えをするようになり、自殺を誘発する」と述べた。
またイ教授は「神経伝達物質のセロトニンが不足すれば衝動をコントロールできず、自殺の危険性が高まる恐れがある。心理的な原因も重要だが、生物学的な原因も見逃さず薬物学的な治療アプローチが必要だ」と付け加えた。
◇「死にたい。私なんていない方がいい」絶望感・自己卑下表現「自殺の兆候」…普段と比べ、行動・表情がおかしければ、注意深く見極める必要がある。
「死にたい」という言葉を普段よりも多く言うのであれば、自殺の兆候があるかもしれない。「これ以上、生きることは意味がない」、「唯一の方法は私が死ぬことだ」といった言葉も危険だ。
「私はもう望みがない」といった絶望感を表現したり、「不安でイライラして何も手に付かない」といった不安を過剰に発する。また「私がいなくなった方がはるかにましだ」、「私は何の役にも立たない」といった自己卑下も危険な自殺の兆候だ。
異常行動の兆候も見られる。▲普段大事にしていた物を周囲の人に配る▲他の人に内緒で薬を買い集める▲危険な物を隠す▲表情がなく、うつ病の症状が見られる▲周辺の人々と関係を断絶したり、対話を回避する症状も自殺の兆候の可能性がある。
イ教授は「長い間落ち込んでいた人がはっきりした理由もなく、急に穏やかに見えたり、楽しそうに見えたりするなど態度が変わる行動も危険な兆候かもしれない。自殺を決めればむしろ物静かになる可能性があり、もう一度注意深く見極める必要がある」とアドバイスした。
◇「論争・忠告」を避け「傾聴・共感」自殺予防に役立つ…憂うつや不安感があれば積極的な「カウンセリング・薬物治療」が必要
自殺の兆候を見せる時、論争や忠告、警告は避ける必要がある。「自殺なんて考えないで」、「両親のことは考えないの?」といった言葉は苦痛を悪化させるだけで役に立たない。
自殺の兆候を見せる人の言葉に耳を傾け、共感するのが自殺予防に役立つ。聞く過程で具体的な自殺の計画に対する情報を知ることもできる。どれほど危機に瀕しているかも把握して助けることができる。
イ・ガンジュン教授は「自殺を考える人は誰も私を理解できない、話しても無駄だと思うので心を開かない。彼らの話をよく聞くだけでも自殺予防に大きく役立つ」とアドバイスした。
自殺予防のためには、普段から不安やうつ病を減らし、ぐっすり眠れる環境を整えなければならない。憂うつな気分になった時は、運動、散歩、日記をつける、瞑想(めいそう)などが役に立つ。
なるべく一人でいる時間は減らす。心の中にしまっておいたつらい話ができる友達も役に立つ。不安や憂うつな気持ちが続けば、積極的に相談や薬物治療を受けた方が良い。もし自殺の危機に直面している状況なら、地域で運営する「自殺予防センター」で支援を受けることができる。
イ教授は「自殺は憂うつな気持ちだけでなく、瞬間的な衝動によっても誘発されるため、気分と衝動がうまくコントロールできず、辛くて大変なら一人で解決しようとせず、周囲に助けを求めたり、精神健康医学科を訪れて相談し、薬物治療を受けることを勧める。
心理的なストレス、性格、周辺環境だけでなく、生物学的な理由でも自殺が起こる可能性があるので、原因を把握して適切な治療を受けることが重要だ」と語気を強めた。
■自殺を防止するために厚生労働省のホームページで紹介している主な悩み相談窓口
●こころの健康相談統一ダイヤル:0570-064-556
●よりそいホットライン:0120-279-338、岩手県・宮城県・福島県から:0120-279-226
●いのちの電話:0570-783-556
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