新型コロナウイルス探知犬は本当に感染者を判別可能なのか = 韓国(画像提供:wowkorea)
新型コロナウイルス探知犬は本当に感染者を判別可能なのか = 韓国(画像提供:wowkorea)
米国、アラブ首長国連邦、フィンランドなど世界各国の空港で新型コロナウイルス探知犬を導入し、実際に感染者の判別に活かすことができるのか関心が高まっている。一部では効果があるという研究論文もあるが、標本実験は少ない上に実験による十分な検証もされていない。

 探知犬は新型コロナウイルスを正確に判別するのではなく、新型コロナウイルスに感染している人の副反応を探知するものである。このような方法は、人の往来が多い空港で効果が現れている。

 国際学術誌「ネイチャー」によると、犬は嗅覚が鋭く、犬の鼻には3億個の嗅覚受容体があり、人間の500万個に比べ大きな差だ。そのため、かすかなにおいも嗅ぎ分けることが可能だ。空港で、銃器、爆発物、麻薬を発見する探知犬が活動する姿は私たちにとって馴染み深いものだ。

 科学者らは、新型コロナウイルス探知犬が人の体内で新陳代謝が変化して作られる揮発性有機化合物が汗や呼吸によって排出されれば、その臭いで探し出すとものと分析している。探知犬が判別したからといって感染者と分類されることはなく、迅速に別途検査を行い、感染しているかどうかの診断を受けることになる。現在までに90%を超える精度が出ているというニュースが相次いで伝えられるほど、効果も優れている。

 人はウイルスに感染したり、特定の疾病にかかった時、物質分解や合成のようなすべての物質的変化を意味する物質代謝に変化が起こることがあるため、がん患者、マラリア感染者などを対象に探知犬を使って判別しようとした事例がある。

 世界的に1年半以上、新型コロナウイルスの感染拡大が続き、様々な試みが行われ、犬も活用されている。このような状況下でこうした試みは意味のあることだ。最も一般的な診断方法である逆転写ポリメラーゼ連鎖反応(RT-PCR)のような既存の検査方法より運営費用が安く、空港やスポーツ競技場のような多数の人がいる場所で素早く判別し、伝染病をコントロールすることができるからだ。

 ただ、今後解決すべき問題も多い。まず動物も新型コロナウイルスに感染する可能性があるということだ。チンパンジー、ゴリラ、猫など、様々な動物に感染する恐れがある。サイエンス研究論文によると、犬の半分が抗体を形成しており、犬も感染する可能性があるという間接的な証拠でもある。

 科学界では犬に感染するかどうかは意見が分かれているが、犬も感染者と接すれば、感染の危険性高く、感染すると嗅覚を失うことがある。そうなれば、犬は新型コロナウイルスの感染者、インフルエンザにかかった患者などを判別することは難しい。

 このため、探知犬が正常な人のどの部分を正確に嗅ぎ分けるのか明確ではなく、消極的な活用にとどまっている。新型コロナウイルス探知犬が今後どのように活用されるかは、研究結果の推移を見ながら見守る必要がある。
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