ステッカーには「チョ○○リ車は譲らないぞ」と記され、韓国車の後部ガラスにこのステッカーが貼られているのを撮影した写真が、複数のインターネットのサイトに投稿された。「チョ○○リ」とは日本人を侮辱する韓国のスラング。韓国紙・朝鮮日報は「車の持ち主が、日本製品の不買運動をアピールするためにシールを貼ったものとみられる」と伝えている。
韓国ネット上では、この行為に賛否が分かれている。「スッキリした」「独立運動家の復活だ」「愛国者だ」などと賛同する意見がある一方、「日本での嫌韓と何も変わらない」「あえてヘイト表現を使う必要があるのか」などと非難するコメントも見られるという。
韓国での日本製品の不買運動は2019年7月、日本政府による対韓輸出管理強化に抗議する目的で始まった。「脱日本」をスローガンに、「買わない、売らない、行かない」とする「ノージャパン運動」が韓国全土で展開された。
不買運動の影響で、日本の大手アパレルグループ「ファーストリテイリング」傘下のファストブランド「GU」や、化粧品大手、仏ロレアル傘下の「シュウウエムラ」、化粧品通販大手「DHC」、外食チェイン「丸亀製麺」などが韓国市場から撤退に追い込まれた。
しかし、一連の不買運動は「選択的不買運動」とも揶揄された。昨年、任天堂のゲーム機「ニンテンドースイッチ」の人気ソフト「あつまれ どうぶつの森」が韓国で大ヒット。発売日前日から大勢の人が販売店に並ぶ様子が見られた。代替となる韓国製品が存在しなければ日本製であっても飛びつく状況に、ネット上では「不買運動をしていても、『あつ森(あつまれ どうぶつの森)』は買うんだなあ」と一貫性がない消費行動を指摘する声も上がった。
日本の人気漫画「鬼滅の刃」は、劇場版アニメの公開時に、主人公の耳飾りが「旭日旗に似ている」と指摘する声も上がったが、ふたを開けてみれば大ヒット。「劇場版『鬼滅の刃』無限列車編」は韓国で累計観客動員数約210万人を記録したほか、コミックス版はソウルの大手書店の全書籍のランキングで1位となった。韓国での「鬼滅人気」は依然、続いており、今月20日には「鬼滅の刃 兄妹の絆」が公開される予定。
また、不買運動そのものが下火になっているとの声も出ている。韓国輸入自動車協会(KAIDA)の発表によると、今年8月の韓国における日本車ブランドの販売台数は1918台で、前年同月比35.7%増。1~8月の累計販売台数も前年比5.1%増の1万3735台だった。トヨタ、ホンダが発売したハイブリッド車が特に販売台数を伸ばしているという。
韓国の経済紙・イーデイリーは日本車の販売台数が前年比増となった要因について、業界関係者の声を紹介。関係者は「日本車ブランドはハイブリッド車に対する技術力とノウハウを持っており、消費者からの信頼感がある。これまで不買運動で苦戦を免れなかったが、輸入車やハイブリッド車に対する消費者の関心が高まったことに伴い、日本車ブランドも今年、国内で販売が増加した」と話した。
また、不買運動を受けて日本からの投資や進出する企業が減ったことは、韓国の雇用にも悪影響を与えることとなり、不買運動がブーメランのように跳ね返ってくる状況にもなった。
新型コロナで落ち込んだ雇用状況や消費を今後回復させていく必要がある中、不買運動は韓国経済にとって有益とならない。日本との約束を破りながらも「解釈の違い」と弁明する政権。不買運動の悪影響を「コロナ蔓延の影響」と弁明する政権。来月からの「ウィズコロナ」の実施により、これからは弁明の余地もなくなるわけだ。
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