駐日韓国大使館は例年、東京都内のホテルで開天節の記念式典を開いているが、新型コロナウイルスの影響を受けて、昨年に続き記念動画を配信することで式典に代えることとした。
カン・チャンイル(姜昌一)駐日大使は記念動画で「現在、韓日間にはさまざまな困難が存在しているが、われわれは長きにわたり交流を続けてきた協力の歴史があり、また、互いに親しみを感じ、韓日関係の正常化を望んでいる両国の国民がいる」とした。また、「韓日両国が対話を通じて困難を乗り越え、未来を担う世代のために知恵を集めてより良い関係に発展していくことに期待している」と述べた。
日本側からは國場幸之助外務大臣政務官や、日韓議員連盟の額賀福志郎会長らがメッセージを寄せた。國場政務官は「両国間には難しい問題もあるが、新型コロナウイルス感染症をはじめ、日韓両国が直面する共通の課題に共に取り組んでいきたい。日韓関係を健全な関係に戻すべく、外交当局間の意思疎通を続けていく」と述べた。
また、額賀会長は東京五輪で男子サッカー韓国代表の試合を、競技会場となった茨城県鹿嶋市の小学生たちがスタジアムで観戦し、声援を送ったことになどに触れながら祝いのメッセージを贈った。会長は「長年の間、われわれはいかなる困難があっても、両国関係の交流を深めてきた」とし、「今後、日韓両国が経済、政治、文化をはじめ、さまざまなレベルにおいて発展を必ず成し遂げて、相互理解、相互信頼、相互協力の関係が出来上がっていくことに期待したい」と述べた。
約30分の記念動画には、音楽演奏や伝統芸能公演なども盛り込まれた。
開天節は、建国神話である「タングン(檀君)神話」に基づき、朝鮮民族の始祖とされている人物「檀君」が古朝鮮を建国したことを記念する日として1949年に制定された。開天節は祝祭日「国慶日」となっている。
在日韓国大使館による開天節の記念動画の配信について伝えた聯合ニュースは「今年の『開天節』は岸田文雄新政権誕生の前日に当たることから、韓日両国のメッセージに注目が集まった」と報じた。
岸田新首相に向けては大韓商工会議所が3日、チェ・テウォン(崔泰源)会頭による書簡を送った。書簡には冷え込んだ両国関係を改善し、ビジネス関係者の協力拡大を呼び掛ける内容が盛り込まれた。大韓商工会議所側が日本の首相就任に合わせて祝いの書簡を送るのは今回が初めてという。
また、韓国のムン・ジェイン(文在寅)大統領は、岸田首相の就任後、祝電を送った。ムン大統領は昨年9月、菅義偉首相の就任当日に祝いの書簡を送ったほか、その8日後には菅氏と電話会談を行っていた。
一方、革新系の執権与党「共に民主党」のソン・ヨンギル(宋永吉)代表も1日、岸田新総理に祝意を示しつつも、岸田総理が自民党総裁選の討論会で靖国神社の参拝をめぐり、あいまいな立場を示したとして「冷え込んだ韓日関係を改善するためには、靖国神社参拝のような、周辺国の国民感情を害することは自粛すべきだ」と述べた。
4日、岸田氏が第100代首相に就任した。新内閣の顔ぶれも固まった。新内閣の発足を韓国も注目しているが、日韓関係改善の方法論に関しては「無知」が目立つ。今のままではいくら頑張っても変わることはないからだ。
日韓関係が史上最悪と言われるほど冷え込んでいる原因は、靖国神社の参拝問題ではない。そもそも韓国が約束を守らなかったことが原因だ。病の原因の診断を間違えると、当然ながら治療も出来ない。つまり今、韓国が日本の新政権に期待していることは、「韓国は約束を守らなくても良いよ」の言葉みたいなものだ。
しかし、今の日本は昔のような「韓国に寛大な日本」ではない。韓国が過去の事を言い出す度に「大人の対応をする日本」でもない。先進国になったと、わざわざ国連機構に申し出て「昇格」を果たした韓国は、いや、ムン政権は「韓国は約束を守る国」であることを示さないといけない。これは「選択の問題」ではない。先進国として当たり前の事である。
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