イ・ナヨン の最新ニュースまとめ
長年、ソウルの日本大使館前で集会を開いてきた元慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)もコロナ禍前のように自由に集会を開きたいところだが、そう簡単には行かない事情がある。どういうことなのか。
正義連は1992年1月8日から毎週水曜日、慰安婦問題に関して日本政府に抗議するための「水曜集会(デモ)」を日本大使館前で開いてきた。1993年8月4日の河野内閣官房長官談話(河野談話)もこのデモに影響されたと言われている。
「水曜集会」は今年7月14日に1500回目の節目を迎えたが、当時、韓国では新型コロナの感染拡大を受け、首都圏では防疫措置のレベルが最高の「第4段階」に引き上げられていたため、集会参加者が入れ替わり登場する「1人デモ」の形で開催された。
1500回目の水曜集会で「正義連」のイ・ナヨン理事長は「日本政府は1500回の叫びを無視し、違法な占領と戦争犯罪の責任から今なお目を背けている」と批判。その上で「日本政府が性奴隷制を重大な反人道的、反人権的犯罪と認め、法的責任を果たして初めて被害者の名誉が回復され、人権が保障される。その日が来るまで、強い連帯の力でこの場を守っていく」と決意を新たにしていた。
しかし正義連は、昨年6月24日の集会を、「定位置」である日本大使館前の慰安婦像前ではなく、初めて場所を移して行った。正義連や前理事長のユン・ミヒャン(尹美香)が慰安婦運動の”功績”で与党の比例代表国会議員になった後、理事長時代の不正を糾弾する保守系市民団体「自由連帯」が先手を打ち、警察から正義連の「定位置」での集会開催の許可を得ていたためだ。
ウィズコロナに移行し、各種集会の人数制限も解除された中、保守団体「自由連帯」はこれからも「正義連」の「定位置」での集会開催を阻止しようとしている。関連法では、集会の主催者は、開催予定日の30日前から2日前までの間に、開催場所を所轄する警察署へ開催の届け出を出さなければならないと定めている。
届け出は先着順で受理される。「自由連帯」は「正義連」に先んじて、午前0時の警察署の受け付け開始と同時に正義連の「定位置」で集会を開くことを届け出た。このため、正義連は「定位置」での水曜集会は開けず、3日の水曜集会も「定位置」から南西に10メートル離れた場所で行われた。
聯合ニュースによると、「自由連帯」キム・サンジン事務総長は、「正義連のユン前理事長の逮捕」と「正義連の解体」と「元慰安婦への支援金返還」の3つが受け入れられるまで、今後も正義連より先に集会開催の届け出を出し続けるとしている。
一方、正義連はユン・ミヒャン(尹美香)前理事長の不正疑惑の発覚以降、人数不足によりこれに対抗できない状況にあるというが、関係者は聯合ニュースの取材に「保守団体の妨害には屈しない。場所を少し移してでも水曜集会の精神を貫いていく」と話していた。
今週3日、人数制限が解除された「水曜集会」の当日、「正義連」を応援する革新系の左派団体「反日行動」の若者10人が朝から「日本軍性奴隷問題の完全解決を」や「親日反逆勢力がここを去るまで闘争を続ける」と拡声器で叫び、少女像のそばに居座った。
一方、保守系の右派団体「自由連帯」はこれに抗議。「なぜ他人の届け出した集会場所を占領しているのか」と拡声器で叫んだ。
両方のもみ合いで、韓国警察240人が現場に出動、鉄製のフェンスと共に両方の間に入り込み双方を隔離させた。そして、「『反日行動』は『自由連帯』が届け出た集会場所の外に移動するように」と呼びかけた。
「自由連帯」側には、イ・ヨンフン(李栄薫)元ソウル大学教授の日韓でベストセラー「反日種族主義」の共同著者であるイ・ウヨン(李宇衍)博士が韓国の「太極旗」と日本の「日の丸旗」の両方を持って登場した。自由連帯は「ムン・ジェイン(文在寅)はスパイのアカ、不正選挙、共産化の根源」「共に共産党だ」「慰安婦問題は詐欺だ」「慰安婦銅像を撤去せよ」などと叫びながら集会を行った。
ソウルの慰安婦少女像は在韓日本大使館を「睨(にら)む」場所に建てられたが、韓国政府がそれを放置した結果が今に出ている。韓国の革新左派と保守右派の「睨み合い」の場所となったわけだ。少女像設置の立役者ユン・ミヒャン(尹美香)議員は、この結果を予測していたのだろうか?
Copyrights(C)wowkorea.jp 6