日本への強硬発言や、対日強硬策を連発していることでも知られるイ候補は、約3年3か月にわたりソウル近郊のキョンギ(京畿)道知事を務めていた。先月25日には、大統領選に専念するため、知事職を辞職した。
彼は知事在任中は「親日残滓(ざんし)清算プロジェクト」を推進。道内の教育現場における親日・日帝残滓の清算を行った。各学校に対して「修学旅行」「遠足」などの用語は「日帝残滓(ざんし)」であるとしてそれぞれ「文化探訪」「現場体験学習」に変更すべきとした。
また、東西南北などの方角や、「第1」などの順序が入った校名も、日帝残滓であると指摘した。さらに、韓国の国旗「太極旗」に関しても、教室内に掲げられた太極旗の額は「日帝への忠誠心を強要したことに由来する」として、撤去の対象とした。同プロジェクトにより、キョンギ道内の学校では各種用語や制度などの変更が相次いだ。
イ候補は今年3月1日、「三・一独立運動」(万歳事件)記念日の演説で、「親日残滓の清算」について触れ、「今年をキョンギ道の親日清算『元年』にしたい」と述べている。
昨年1月にはキョンギドの庁舎に掲げられた歴代道知事の肖像画のうち、4人の元道知事の肖像画に、過去の「親日行跡」を明記。4人の元道知事は「親日人名辞典」に掲載されているという。「親日人名辞典」とは、韓国の民間団体が、日本統治時代に親日活動を行った人物の名簿を辞書形式の書籍として出版したもの。
イ候補は1日、独立運動家とその家族でつくる「光復会」を訪問。「親日破墓法」よりもカツラでもっと有名なキム・ウォヌン(金元雄)会長らと会談した。その際、イ候補は記者団から「知事時代に推進していた歴代の同知事の親日行跡明記(親日履歴併記)政策を拡大する考えはあるか」と問われ、「今後も親日行跡を明らかにすることは、国家レベルでも続けていくべきだと考える」と述べた。
またイ候補は、「親日の人々が政府の要職を占めており、彼らを紹介する時、(過去の親日的な行跡を省いた)その後の行跡だけを記している」とし、「一部では『親日の人々の記録を消去しよう』との主張もあるが、私はその点については考えが少し違う。消すのではなく、それさえも記録すべきだ」と主張した。
キョンギ道は、2009年からキョンギ道内に立つ親日とされた人物の銅像や追悼碑などに、親日的な行跡を明記した案内板の設置が進められてきた。遺族からは「子孫に何の責任があるのか」と反発の声も上がった。
イ候補は先月10日に執権与党「共に民主党」の大統領選公認候補に選出された。世論調査会社の韓国ギャラップが2~4日にかけて行った「次期政治指導者好感度調査」の結果によると、イ候補は26%の支持を得てトップ。現時点では「次期大統領に最も近い人物」だ。
イ候補は大統領選への出馬を表明した際、「私は日本を憎んだり、日本国民に反感を持ったりはしていない」と述べている。「親日残滓(ざんし)清算プロジェクト」を推進してきた過去や、今回、歴代首長の親日行跡を明記すべきとの主張などを見ると、整合性がないようにも見える。しかし、ムン・ジェイン(文在寅)大統領とは違って「日韓関係の回復」としては力になる可能性もある。
独立運動家であり反日思想家として有名な「韓国建国の父」イ・スンマン(李承晩)初代大統領。彼は韓国建国の後、何と武装系の独立運動家たちと距離を置き、彼らが進めていた「反民族行為特別調査委員会」を無力化させ、親日行跡の人材を重用していた。
今回のイ候補の「反日行跡明記」のお陰で韓国国民の皆に「韓国建国の父」の深い行動理由がやっと理解でき、日韓関係がリセットされ「真の正常化」に向かって進むようになれば、イ・ジェミョン(李在明)候補の功績は正に大きい。
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