岸田文雄首相は、10日に発足させる第2次岸田内閣に、林芳正元文部科学大臣を起用する意向を固めた。選挙の後、外相だった茂木敏充氏の自民党幹事長就任に伴い、空席の外相を首相が兼務していた。

韓国メディアもこれを報じ、林氏について「韓日関係に関心が深い人物」などと紹介している。

林氏はことし60歳。東京大学法学部を卒業後、大手総合商社の三井物産などに勤務した。米ハーバード大に留学し、米下院議員や上院議員のもとで働いた後、衆院議員だった父親の林義郎氏の秘書を経て、1995年の参院選挙で山口選挙区から出馬し初当選。防衛相や農相、文部科学相などを歴任した。

今年8月には26年間を務めた参院議員を辞職して鞍替えし、先月の衆院選では山口3区から立候補。立憲民主党の新人候補を圧倒し、初当選した。

韓国の朝鮮日報は、岸田文雄首相が第2次岸田内閣の外相に林氏を起用する意向を固めたことについて伝え、林氏について「韓日関係に消極的だった茂木前外相とは異なり、韓日関係に関心が深い人物として知られる」と解説。林氏が2019年8月、大韓憲政会のメンバーと日本の政治家が集い、「近い隣国 共存共栄する韓日両国」をテーマに開かれたセミナーに参加したことを紹介した。

また、林氏が首相の率いる自民党内の派閥「岸田派(宏池会)」に所属しているとし「宏池会は自民党の派閥の中でアジア外交を最も重要視するグループだ」と韓国で報道された。

また、日本の衆院選の翌日、「『知韓派議員』も世代交代」と題した記事を掲載し、衆院選を契機に「日本の政界内における『親韓派議員』の世代交代も進む見通しだ」と報じられている。その記事の中で、次代の親韓派議員の一人として林氏の名前が挙がっていた。

林氏はこれまでキム・ブギョム(金富謙)首相ら韓国の政治家と長年交流してきたとし、「韓国の外交関係者の間からは『韓国との関係に関心が強く、前向き』との評価も出ている」と報道された。

東亜日報は、林氏が「宏池会」に所属していることを伝え、「平和主義を掲げ、伝統的に周辺国との外交を重視してきた宏池会の特性上、林氏は韓国や中国と関わる活動が多い」と解説。林氏が超党派の議員でつくる「朝鮮通信使交流議員の会」の幹事や、「日中友好議員連盟」の会長を務めていることを紹介した。

一方、ヘラルド経済は、林氏が外相に内定したと伝える記事で、林氏が文部科学相を務めていた2018年3月、文科省が竹島(韓国名・独島)を「固有の領土」と明記した新しい高校学習指導要領を告示したことにも触れた。当時、改定案公表後の意見公募では「日本政府の主張を一方的に教えるのは不適切」との声もあったが、文科省は「わが国が正当に主張する立場を理解することは主権国家の公教育では当然」との見解を示している。

日韓の間では、元慰安婦問題や元徴用工問題など課題が山積している。ハンギョレ新聞は林氏が外務相になったことで「歴史問題の早期解決は難しいだろうが、駐日韓国大使との面会など、対話の糸口を見つける可能性もあるとみられている」と伝えている。

確かに、行き詰った日韓関係を動かすため、林氏の外相としての手腕が注目される。しかし、問題は外相がどのような人なのか、ではない。「反日思想」に影響を受けた韓国司法が国際法・条約・時効・主権免除の原則などを無視しながら、判決を下したことがその始まりだ。

また、国の代表として責任をもってそれを解決すべきところ、韓国大統領は便利な「反日万能キー」を利用し容易い支持率稼ぎで更に国家間の約束を破った。それが今回の日韓問題の本質である。

偏ってしまった「歴史認識」を正常に戻し「反日思想」を克服しない限り、日韓関係の正常化は出来たとしても”時限爆弾”に過ぎない。自らを不幸にしているものは「反日万能キー」であり、その力に支配されている現実にそろそろ気づくべきだ。

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