日本の「コロナ死亡者ゼロ」ミステリー…実際はもっと多い?=韓国報道(画像提供:wowkorea)
日本の「コロナ死亡者ゼロ」ミステリー…実際はもっと多い?=韓国報道(画像提供:wowkorea)
日本のコロナの死亡者が0人になった今月7日、日本だけでなく世界中のメディアが一斉に報道した。感染者数を減らして見せることは可能でも、死亡者数まで少なく見せることはできないという点で世界が驚いた。

 「総選挙を控え、PCR検査の数を減らした」、「一時的に集団免疫になった」、「日本でデルタ変異が力を失った」などの仮説が提起されたが、専門家たちもこれといった理由を提示できずにいる。

 そうした中、日本政府が発表する死亡者数が過小評価されているという主張が出た。

 12日付の日本の有名週刊誌「女性自身」は、統計に詳しい元公務員を引用して、日本の「コロナ死者数」が実際にはもっと多い可能性があると報じた。

 判断の指標となったのは大阪府だ。コロナ蔓延以前の2019年5月、7500人だった大阪府の死者数は、2021年5月には8901人と1400人余り増えたが、これはコロナの影響とみられる。

 しかし、大阪府が発表した今年5月の死亡者数は857人に過ぎなかった。2019年に比べ1400人ほど増えた死亡者のうち、残り約500人はコロナによる死亡者、またはコロナで医療システムが崩壊し治療を受けることができずに死亡した「コロナ関連の死亡者」ではないか、ということだ。

 2年間で「コロナと関係なく、死亡者が増えたのではないか」との解釈もできる。しかし、コロナにうまく対処したと評価される鳥取県や島根県では、2019年も2021年も死亡者数の総数がほぼ同じ水準だ。大阪だけで死亡者が増えた現象は、コロナ対策が適切に行われなかった結果と言える。

 それではなぜ、日本のコロナの死亡者数は実際より少なく集計されるのだろうか。「誰がコロナを悪化させたのか」の著者であり、韓国では原発専門家としてよく知られている牧田寛博士は3つの理由を挙げた。

 まず、日本政府がPCR検査の数を減らしたため、陽性者の数が十分に把握できなかったということだ。厚生労働省がPCR検査を一人当たり2万円の有料に転換して検査件数が減り、このためコロナに感染した患者が正確に集計されなかったということだ。彼らが死亡した場合、「コロナ死者数」に含まれないというのが牧田博士の説明だ。

 次に警察庁が発表した「変死」の中に、コロナ患者が含まれていなかったことが挙げられる。今年4月から9月までの全国変死者のうち最大627人がコロナ陽性の判定を受けたが、これが「変死」のため「コロナ死者」の統計から抜けているとのこと。

 死亡報告が遅れていることも、原因に挙げられた。 新規感染が減少した今年9月以降も大阪や東京、沖縄などで集計されたコロナ死者数は増加傾向を見せたが、牧田博士はこの現象が死亡報告が20日から40日ほど遅延していることを示しているとも述べた。

 米ワシントン大学保健指標評価研究所(IHME)は、日本のコロナ死者数が、発表された数値の24倍に達すると推算している。

 日本で人口対比コロナ死亡者の割合が最も高い大阪で、実際には死亡者がもっと多い可能性があるという指摘が出ている。今年1月から8月にかけて、大阪はコロナ死亡者が約2200人と発表したが、実際は4000人を超えている可能性があるという。

 大阪でコロナの死亡者が多かった理由は、防疫効果よりも防疫費用の削減に汲々とした影響が大きい。コロナのような前例のない破壊的な感染病を収束させるには、限られた資源を公共病院に集中させても足りない状況である。しかし厚生労働省は、医療費削減のために国公立病院を統廃合し、病床を減らしてきた。この10年間、日本全国の保健所数は半分に減った。

 特に大阪は東京都に先立ち、公立病院を民営化するなど、福祉費用の削減に積極的だった。その結果、大阪応急医療システムはコロナ対応のマヒ直前まで追い込まれ、コロナ患者のうち10%だけが入院治療を受けられるという事態となっていた。病院を探すこともできず、救急車の中で長時間待機し、命を失う患者もいた。

 このほか、「日本維新の会」所属の吉村博文大阪府知事は、コロナの拡散傾向が続いているにもかかわらず、経済を活性化するとして今年2月末に性急に緊急事態を解除し、批判を受けたこともある。
 
 大勢の専門家らは大阪コロナの対応を「行政失敗」というが、有権者の考えは違ったようだ。「日本維新の会」は、先月31日の衆議院選挙で大阪地域に候補者を出した15の選挙区ですべて勝利し、全国的に41議席を超え、前回よりも4倍近く議席を増やすことに成功した。

 有権者の77%が現在大阪を率いている日本維新の会のコロナ対応を「高く評価する」と答えた世論調査結果もある。「日本を戦争可能な国家にしよう」と改憲を推進する政党に「仕事ができる」という期待からなのか、票が集まったのだ。

 昨年、「うがい薬がコロナの予防に効果的」という吉村知事の検証されていない発言で、大阪の薬局やドラッグストアなどで口腔清潔剤の品薄現象が起こった。大阪のコロナ死亡者数が実際に多い可能性があるという指摘があっても、大阪の有権者の選択は「日本維新の会」だった。日本のミステリーは、「コロナ死亡者数」急減だけではなさそうだ。
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