相次いで韓国から撤退する外資系銀行、東アジアの金融ハブは夢で終わるのか=韓国(画像提供:wowkorea)
相次いで韓国から撤退する外資系銀行、東アジアの金融ハブは夢で終わるのか=韓国(画像提供:wowkorea)
東アジアの金融ハブになるという韓国の国家ビジョンが、夢で終わろうとしている。金融ハブを支えなければならない外資系金融機関が韓国に進出するどころか、次々と韓国から去っているからだ。

 18日、韓国メディアの毎日経済新聞によると、2019年4月、米国シティ銀行の消費者金融部門に続き、今月はカナダのノヴァ・スコシア銀行が「韓国撤退」を決定した。2013年、荷作りしたHSBCから数えれば、米ゴールドマン・サックス、英スコットランド王立銀行まで外資系銀行7か所が韓国から撤退する。

 韓国から撤退する原因としては、韓国政府による過度な金融規制や硬直した労働市場のせいと言われている。

 シティバンクは、韓国をはじめとする13カ国からは消費者金融を撤退するが、香港、シンガポール、ロンドンでは、そのような計画はないという。これらの地域では、さまざまな金融商品やサービスを自由に取り扱うことができるからだ。

 それに対し韓国では、政府が銀行の個人貸出総量まで決める。 貸出対象も決め、 配当まで干渉する。それに加え、銀行ではリストラも自由にできない。シティバンクでは、他国では3か月分の給与を補償する条件で希望退職ができた。しかし、韓国では定年まで残った給料の全額を支給する条件で、希望退職を受け付けるしかなかった。

 規制が多すぎる韓国が、「金融ハブ」になるというのは妄想に近いという声も上がっている。

 毎日日報は10月27日付けの記事で、多国籍金融会社の韓国離れは、アジアを越えて世界の金融ハブに成長するという韓国政府の野心に満ちた計画にも水を差したと報じた。

 韓国が金融ハブに挑戦したのは、すでに20年を超える。2003年ノ・ムヒョン(盧武鉉)政権の時から「北東アジア金融ハブロードマップ」を提示した。イ・ミョンバク(李明博)政権もソウルと釜山を候補地として上げた。「金融の中心地基本計画」を策定し、多国籍企業を対象に成功要件について調査も行った。しかし、大きな関心を引くのに失敗した。シンガポール・香港・上海よりも、魅力がなかったからだ。

 一方、今年3月、英国の調査企業Z/Yenが発表した国際金融センター指数(GFCI) の順位ではソウルが16位、釜山が36位だった。中国の上海3位、香港4位、シンガポール5位、日本の東京7位などと比べれば、韓国政府の金融ハブ戦略は失敗した。

 16日、毎日経済新聞によると、銀行界の関係者たちは、韓国市場が世界金融ハブとして成長できない最大の理由として、労働市場の硬直と政府の規制をあげた。韓国シティバンクは消費者金融の清算決定に先立ち、他の金融会社に売却しようとした。その際、売却で最も大きな障害となったのは、社員の雇用承継と高い人件費だった。

 金融界の関係者は、「何社か候補がいたが、候補はいずれも消費者金融事業部を買収するための最小限の社員以外には雇用を承継しないという立場なので、合意が容易でなかった」と説明した。

 過度な規制やこれに伴う経営の不確実性も、外資系金融機関が韓国を離れる主な原因の一つとなっている。

 ある業界関係者は、「たとえ法的に認められたとしても、金融当局に一々確認しなければ何もできない」とし、「こうした窮屈な環境下では、新しい金融商品を発売したり創意的な試みも難しい。また、窓口の指導まであり、金融機関の自律性は最初からないと考えてもよい」と述べた。
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