ワクチン接種完了者の感染は免疫持続効果の短さと感染力の強い変異株の出現に原因がある。しかし、60代以上で感染が急増している現象に対しては、防疫当局と政府の責任を追求せざるを得ない。防疫当局は4~8月、60~74歳を対象にアストラゼネカ製ワクチンを集中的に接種した。ワクチンの種類を選ぶ権利は与えられなかった。ところが、アストラゼネカ製ワクチンの効能は期待に大きく及ばないことが明らかになった。
国内外の調査の結果、アストラゼネカ製ワクチンはファイザーやモデルナ製ワクチンに比べてウイルスを無力化する中和抗体の生成量が少ないだけでなく、ウイルスへの抵抗力が早く弱くなることが分かった。これを受けて防疫当局は先週、60歳以上の高齢層の3回目の接種(ブースターショット)の間隔を6か月から4か月へと短縮した。しかし、この措置もすでに一歩遅れたもので、高齢層の感染の急増を直(ただ)ちに収拾させることは難しそうだ。しかも、政府は最近になってようやく初めて接種完了者を対象に抗体保有量調査を実施し、60代以上は調査対象に入れていなかった事実が明らかになった。緻密な科学的根拠が必要なワクチン接種を粗雑に行っていたという指摘は免れない。
60代以上の新規感染者の急増は、防疫ミスから起こった部分が大きい。政府はより強い覚悟で対応しなければならない。まずファイザーやモデルナ製ワクチンを使用して行なう60~74歳を対象とした追加接種を迅速に行わなければならない。同時に重症者を早期に把握し治療して、後遺症の管理にも万全を期すべきだ。
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