「選挙の女王」朴前大統領、韓国大統選に一石を投じるか(画像提供:wowkorea)
「選挙の女王」朴前大統領、韓国大統選に一石を投じるか(画像提供:wowkorea)
韓国のパク・クネ(朴槿恵)前大統領が先月31日に恩赦を受け、約4年9か月ぶりに自由の身となった。政界はかつて「選挙の女王」と呼ばれた朴氏が、大統領選に波紋を及ぼすか神経を尖らせている。朴氏の一石が、保守層だけでなく中道層の票心にどのような影響を与えるか注目される。

 1日、韓国メディアの毎日経済新聞は、「選挙の女王」と呼ばれた朴前大統領が選挙にどのような影響を及ぼすか、政界が神経を尖らせていると報じた。

 朴氏は2020年4月の総選挙前に、「未来統合党に力を与えるように」という趣旨の獄中メッセージを出した前例がある。特に、今年2月に病院を退院し、肉声で国民へのメッセージを出すという。大統領選挙を前にしてメッセージを出すため、国民からも朴氏のメッセージに注目が集まるものとみえる。

 保守系野党「国民の力」のユン・ソンニョル(尹錫悦)候補は恩赦が決定してから、連日朴氏を呼び入れる動きを見せている。尹氏は12月29日から31日まで保守の支持基盤であるテグ(大邱)キョンサンプクト(慶尚北道)地域を訪問し、「われわれの朴前大統領」「朴前大統領の健康が回復すれば、一度お会いしたい」と、朴氏を気遣ったメッセージを述べた。

 もし朴氏が個人的な感情よりも「政権交代」の大義に賛成する場合、保守層の結集を通じて尹候補に肯定的な影響を与えられるという分析が出ている。朴氏のメッセージ1つで大邱・慶尚北道地域など伝統的な保守畑で票心を固める機会でもある。

 ただ、最近は尹候補の支持率が下がり気味だ。この現象を見て、文大統領が妙な時期に、妙な手を打ったという意見も出ている。

 2日、京郷新聞によると、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン(李在明)候補は「(朴氏の恩赦決定の可否を)事前に知らなかった」とし、「あまりにも敏感な問題なので、私は(恩赦に)反対の意見だった。文大統領が、恩赦後の後遺症や葛藤などを一人で背負うと考えたのではないかと思う」と、恩赦との関連性に距離を置いた。

 イ・ジュンハン仁川大教授は「李候補としては、まだ文大統領の支持率が高いので、恩赦にとやかく言う状況ではない」とし、「意見を明らかにしなくても大丈夫」と述べた。

 実際、先月29日、李候補が尹候補を誤差範囲外でリードしているという世論調査の結果が相次いで発表された。文化日報が昨年12月26~27日に実施した世論調査で、李候補は37.4%、尹候補は29.3%の支持率を得た。また、先月25~27日にハンギルリサーチで実施した世論調査でも、李候補は42.4%を得て尹候補(34.9%)をリードした(両世論調査とも標本誤差95%の信頼水準で±3.1%)。

 現在、両候補は不動産疑惑や夫人に関する疑惑が争点になっているが、朴氏の恩赦以降も支持率逆転が表われている点で、今後の波及力を見守る必要がある。

 リサーチ機関「リアルメーター」のペ・チョルホ首席専門委員は「結果的に文大統領がとても妙な時期に妙な一手を投じた」とし、「朴前大統領の恩赦問題が選挙の争点化を遮断し、保守陣営内部に微妙な雰囲気を作る絶妙な一手」と説明した。続いて「朴前大統領の回顧録と今後の発言によって第2次の波紋も十分に可能な状況」と述べた。
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