「新年の辞」を発表する文大統領=3日、ソウル(聯合ニュース)
「新年の辞」を発表する文大統領=3日、ソウル(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は3日、青瓦台(大統領府)で国民に向け「新年の辞」を発表し、3月の大統領選は国の未来を左右する選挙だとした上で、「敵対と憎悪、分裂ではなく、国民の希望を込める統合の選挙になることを願っている」と語った。先ごろ国民統合を掲げて朴槿恵(パク・クネ)前大統領を特別赦免(恩赦)にしたのと同様、大統領選も「統合」を中心的な価値に据えるべきとのメッセージを発した形だ。文大統領は5月に任期を終える。 文大統領は「政治の主人は国民であり、国民の参加が民主主義を発展させ、政治のレベルを高める力になる」とし、選挙への積極的な参加を促した。 また、「韓国の歴史は試練と挫折を乗り越えた偉大な成功の歴史だった。考えが違っていても大局的には協力し、成し遂げた歴史だった」とした上で、「再び統合し、今以上に包容しながら未来へ共に歩んでいこう」と強調した。政権には任期があるが歴史は悠久だとし、「前の政権の成果が次の政権に引き継がれ、より大きく飛躍するとき、韓国はよりよい未来へと前進を続けるだろう」と述べた。 文大統領は2017年5月の就任以降の国政運営を振り返り、「権力機関が国民の上に君臨できないよう、権力機関改革を制度化した。言論の自由と人権が伸長し、世界が認める完全な民主主義国の隊列に加わった」と評価した。「歴代のどの政権よりも国防力を堅固にし、世界6位と評価される強い防衛能力を備えた」とも語った。 また、「韓国はこの70年間、世界で最も成功した国になった。第2次世界大戦後、開発途上国から先進国へ転じた唯一の国であり、K(韓国)文化が世界の人々を魅了し、K産業が世界市場をリードしている」と評価し、「誰であっても国民が成し遂げた国家的な成果を否定したり、おとしめたりすることはできない」と指摘した。その上で、「これまでの国家的な成果が次の政権でより大きな飛躍を遂げるための土台となるよう、最後まで最善を尽くす」と語った。 この先の課題としては、新型コロナウイルス感染症を乗り越え完全な日常生活を取り戻すことなどを挙げた。今月から飲み薬の使用が始まることに触れながら、コロナで打撃を受けた小規模事業者らが手厚い補償と支援を迅速に受けられるよう尽力すると表明した。 朝鮮半島の平和を巡っては、「南と北の意志と協力が何より重要。チャンスがあれば最後まで南北関係の正常化と後戻りできない平和の道を模索する。次の政権でも対話の努力が続けられることを願う」と語った。これまで繰り返し訴えてきた朝鮮戦争の終戦宣言には言及しなかったものの、「後戻りできない平和の道」とは事実上、終戦宣言の実現に向けた努力を指すとの分析もある。
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