一部の住民たちの間では、高価な電化製品を食材や生活必需品と物々交換するという事態まで起きていることがわかった。
3日(現地時間)米CNN放送は「食材と生活必需品不足に苦しんでいる1300万人の西安の住民の怒りが限界に近づいた」とし「中国のゼロコロナ政策が試されている」と伝えた。
西安市当局は先月22日、住民たちに外出禁止令を発令し都市を封鎖した。その後今月3日まで西安で新型コロナの感染判定を受けた住民の数は、1600人あまりである。
一日に数万人から数十万人の感染者が発生している米国やヨーロッパなどの状況に比べれば多い数ではないが、中国では2020年の3月以降に発生した最大規模の集団感染である。
中国は感染者が発生すれば都市全体を封鎖し、全ての市民に対する全数検査を通じて感染者を発見するという超強力な防疫措置を施行している。そのため新型コロナパンデミックで、相対的に死者が少ない国として分類されている。
問題は、その過程で住民たちが直面する被害が想像以上に大きいという点である。西安の住民たちは、食材と生活必需品さえもきちんと購入できない状況を訴えている。
新型コロナに関する中国政府の記者会見の生放送チャンネルには、食糧の供給を求めるコメントが殺到したためコメント機能が遮断され、中国版ツイッターであるウェイボー(微博)には3日基準で「西安食材購入難」というハッシュタグのアクセス数が3億8000万件を超えた。
英BBC放送は「白菜とタバコ・リンゴと食器洗剤・野菜と生理用品を交換する様子が撮影された動画が、ウェイボーを通じて公開されている」と報道した。
米国ラジオ放送局“自由アジア放送(RFA)”は「西安の住民たちがスマートフォンやタブレットPCのような高価な電子製品と米を交換し、携帯用ゲーム機“ニンテンドースイッチ”を袋入りインスタントラーメン・蒸しパン2つと交換する事態まで起きている」と伝えた。
あるウェイボーのユーザーは、このような状況について「原始社会への回帰だ」と表現した。
「食糧供給に問題はない」と断言していた西安市当局は「安定的な食糧供給が成されるようにする」と重ねて約束しているが、西安市民たちの状況をすぐには改善できずにいるようだ。
そのような中、先月31日には、西安のあるアパートで防疫要員が饅頭を買って帰る途中住民たちから集団暴行を受けるという事件が起きた。また西安を脱出しようとして当局に摘発される事例も続出している。
現在、西安の新型コロナ集団感染事態はピークを過ぎ緩和の兆しが表れているため、この流れが続けば数週以内に事態は終息する可能性が高い。
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