「日本が韓国と協議し、必要性が認められれば入国を許可する」
これは2015年10月、ファン・ギョアン(黄教安)韓国首相(当時)が国会対政府質疑で明らかにした内容だ。黄首相は「基本的には認めない」としたが、「やむを得ない場合、韓国の立場上、同意があれば可能とする」という発言は当時大きな議論になった。
最近、日本が北朝鮮のミサイル発射に対応して、敵基地への攻撃能力の保有を本格的に推進する方針を明らかにし、日本の防衛政策の大転換を予告した。このような流れは安倍晋三前内閣当時から推進されてきたものだが、最近の国際情勢の変化にともなってさらに加速している。日米首脳会談で日本の敵基地への攻撃能力の保有に関する議論が行われ、米国が日本の防衛力強化推進を目的に歓迎の意思を明らかにしたことは、北朝鮮の軍事的緊張が高まったことを契機に事実上「専守防衛」の原則を放棄しようとする日本と、同盟を通じた中国への牽制を目標とする米国の利害関係が合致した結果だ。
過去に日本と「悪縁」を結んだ韓国としては複雑な立場に置かれる。同時に日本と韓国は、米国と軍事同盟を結んでいる。日韓は同盟ではないが、米国を媒介に北朝鮮に対する対応については3か国間での協力を約束している。北朝鮮の挑発が高まれば高まるほど、米日韓軍事協力の強度が高まる理由だ。
想像もしたくないことだが、朝鮮半島での有事の際にはどうか。外交安保研究所日本研究センターのユン・ソクジョン研究教授はこのような仮定に基づき、日米同盟の枠組みで日本がどのような役割を果たすのかを分析した。これによると、冷戦当時、日本の役割は在日米軍に対する基地提供にとどまったが、脱冷戦期には自衛隊が後方地域への支援、集団的自衛権を行使するようになり、地域同盟化がなされた。
このような日米同盟は、中国の軍事大国への浮上や北朝鮮の核兵器開発など、時代の流れによって法制化されていった。特に2012年12月の第2次安倍内閣の発足後、こうした流れはさらに加速化したが、2014年7月には閣議決定を経て後方地域支援の地理的範囲を拡大し、武力行使のための新三要件を提示し、集団的自衛権を行使するという立場を明らかにした。2015年4月に日米防衛協力指針が改正され、朝鮮半島有事についての部分は2015年9月に重要影響事態法と事態対処法により整備された。
状況別に各法が適用される段階を詳しく見ると、米軍が特定地域の紛争に介入したが、まだ日本本土に対する武力攻撃が発生していない段階なら、日本政府は重要影響事態なのか存立危機事態なのかを判断しなければならない。
もしもこの場合が重要な影響事態と判断すれば、「現在戦闘行為が展開されていない現場」ではない場所での補給、輸送、修理・整備、医療などの対米支援を自衛隊が行う。
問題は、日本本土に対する武力攻撃が発生しなくても、米軍が敵対国からの攻撃を受け、その状況が日本の安保に脅威を与える状況がある場合だ。日本政府が存立危機事態になったと判断されれば、日本は集団的自衛権を発動することになる。この時点から、米国の同盟国として日本が朝鮮半島の状況に直接介入することになる。
もちろんこの際も、自衛隊が朝鮮半島に進出するかどうかについて、韓国政府の許可が必要だとするのが基本的な常識だ。ただ、北朝鮮の脅威が大きくなるほど、この部分に対する日韓間の意見の相違は大きくなる可能性がある。
ユン教授は「自衛隊が重要影響事態法の地理的範囲を拡大して集団的自衛権を行使できるようになり、朝鮮半島での有事の際、韓国の領土・領海に進入する可能性が高まった」とし、「自衛隊が北朝鮮の領域に進入する可能性も日韓間での論争になり得る」と指摘した。また「こうした問題は朝鮮半島有事という戦時状況を仮定して論議されることだが、これにきちんと対処できるかどうかは日米韓が北朝鮮情勢について意思疎通し、いかに信頼を蓄積するかにかかっている」と付け加えた。
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