「感染者の半数が陰性判定」…信頼性低い自己診断キットが感染拡大を助長する可能性も=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「感染者の半数が陰性判定」…信頼性低い自己診断キットが感染拡大を助長する可能性も=韓国報道(画像提供:wowkorea)
新型コロナウィルスのオミクロン株の感染拡大対応策のため、PCR検査から迅速抗原検査に転換されたことから、自己診断キットが注目されている。市場では3つの製品が流通・販売されており、最近この自己診断キットの「購入騒動」が起きているほどだ。何よりも新型コロナウィルスに感染しているかどうかを正確に診断することが重要なだけに、これらの自己診断キットの精度に関心が集まっている。

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3日、韓国の製薬バイオ業界によると、現在薬局・コンビニエンスストア・オンラインで販売されている「新型コロナウィルス自己診断キット」は、エスディーバイオセンサー、ヒューマシス、ラピゼンの3社が製造した製品で、食品医薬品安全処の認可を受けた公式製品だが、医療用として使われる迅速抗原検査キットとは別の製品だ。

PCR検査と自己診断キットの最も大きな違いは検査方式と診断時間だ。PCR検査は遺伝子増幅方式で診断する技法だ。患者の口咽頭(口)と鼻咽頭(鼻)から検体を採取し、ポリメラーゼ連鎖反応(Real-TimePCR)で検査し、最短で3時間、最長で6時間以上かかる。精度が高い代わりに検査時間が長くかかる。

これに比べて自己診断キットはPCR検査よりも精度が低い代わりに迅速な検査が可能だ。自己診断キットは呼吸器感染症状がある患者の鼻腔(鼻の背の内側)塗抹(とまつ)検体から免疫クロマトグラフィー法で新型コロナウイルスの抗原の有無を判定する。

自己診断キットは小型で追加装備の必要なく自己診断が可能で、15分で検査結果が確認できるのが特徴だ。現在オミクロン株への置き換わりが進み新規感染者数が2万人を超え、韓国政府が迅速な診断のために自己診断を拡大させることにしたのはその理由からだ。

自己診断キットの診断精度は新型コロナウイルス陽性反応を検出する感度と陰性反応を検出する特異度で確認することができる。製造会社と製品による精度の差は大きくない。エスディーバイオセンサー社製の自己診断キット「STANDARDQ COVID-19 Ag Home Test」は感度94.94%、特異度100%の製品だ。ヒューマシス社製の「COVID-19 Home Test」は感度92.90%で特異度99%、 ラピゼン社製の「BIOCREDIT COVID-19 Ag Home Test Nasal」は感度93.15%で特異度100%だ。正確度の面で診断キットごとの差が少ないため、製品の選択には大きな問題はないというのが業界の説明だ。

しかし専門家らは、自己診断キットの正確性の低さに懸念を示している。各社は平均90%以上の正確度を確保したと発表しているが、医療現場では感度が50%にも達しないと主張している。オミクロン株に感染しても半分は検査をすり抜けてしまう計算だ。

業界の関係者は「自己診断キットを一般人が直接使用する場合、実際の感度は50%に及ばず、20%程度に達するかどうかだ。特に感染初期の患者の場合、ウイルス量が少なく自己診断キットでは感染者を選別できない」と指摘している。この関係者は「自己診断検査の拡大が、新型コロナウィルス感染者を急増させる可能性がある」とし、「実際に陽性の人が感染初期段階で自己診断をした場合陰性結果が出る可能性が高いため、かえって感染を拡散させる危険性がある」と述べた。

カンドンソンシム(江東聖心)病院感染内科のパク・ソヨン教授も「無症状や軽症者の場合、自己診断検査での感度は20%台に低下する。問題は陰性と判定された場合だ。無症状や軽症の人は本人も知らないうちに新型コロナウィルスを他人に伝染させてしまう」と付け加えた。

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