年度別の孤独死者数(資料:保険福祉部)=韓国報道(画像提供:wowkorea)
年度別の孤独死者数(資料:保険福祉部)=韓国報道(画像提供:wowkorea)
「基礎受給者の申請もせずに、ひとりで生きていこうとしていたみたいです。だから住民センターの管理対象にも含まれていなかったんです」

キム・ウォニ の最新ニュースまとめ

今月6日、ソウル市ソンブク(城北)区ソックァン(石棺)洞のあるマンションの屋上部屋で、死後3週間後に発見されたチャンさん(63)は、家主の通報によって発見された。2か月に1度水道料金の徴収があるが、メールに応答がなく、家主が直接訪問して異変に気づいた。遺体は布団にくるまったまま腐敗が進んでいたため、解剖による死亡日時の推定も困難だった。住民センターの福祉案内文にも返答がなく、自治体による支援を拒んでいたこの男性は、福祉の死角地帯で亡くなった。

新型コロナウィルスの感染拡大の事態が3年目に入り、韓国では他人との交流が途絶えたまま遺体で発見される孤独死が増えている。

保健福祉部が最近キム・ウォニ共に民主党議員に提出した資料によると、孤独死の件数は2017年に2008人だったが、新型コロナウィルスが猛威を振るった2020年と2021年にはそれぞれ3052人と3159人に急増した。このうち、ソウルで759人やキョンギ(京畿)で743人など、首都圏での孤独死の件数が全体の47.5%と約半数に達した。単身世帯が毎年増えている上、新型コロナウィルスのまん延によって自治体の公務員の業務が増え、孤独死を防ぎにくくなっていることが影響している。

チャンさんは家族との交流が完全に途絶えていた上、他人との接触を嫌っていたため、同じ建物に住んでいた家主が唯一の知人だったという。チャンさんが入居してきた2015年から顔見知りになった家主は「昨年11月に新しく漬けたキムチを持って行った後、1月ごろに一度すれ違ったような気がするが、チャンさんはあまりにも人を警戒して話をしなかった。ドアの前にラーメンの袋とインスタントコーヒーのゴミが出されているのを見て、家にいると把握できるのがやっとだった」と話した。

ソウル市クロ(九老)区ケボンドン(開峰洞)で一人暮らしをしていたクォンさん(78)も孤独死をしたが、家族と連絡がつかず、身元の確認に苦労した。先月26日、家賃の振り込みがなく、家主が直接家賃を受け取りに行って119番通報して発見された。警察は身元確認のために賃貸契約書に記載されたクォンさんの息子に電話したが番号は使われておらず、住民登録上の居住地であるソデムン(西大門)区役所と協力して身元確認を終えた。

孤独死が増えている理由は、独居世帯が30%を超えている状況で、さらに新型コロナ禍以降社会的孤立が深まっているためだ。

このため、自治体は孤独死の危険性がある独居世帯を対象に、定期的に案内文を送ったり電話をかけたりして孤独死の予防に乗り出している。ただ、貧困階層や生活保護受給者のように自治体の管理対象でない場合福祉サービスを提供することが難しく、対応に限界があるという指摘もある。

実際に住民センターの職員が独居世帯を訪問した際、「どうやって調べて来たのか」と抗議したり、「1人で暮らしているのが哀れだと思うのか」などと助けを拒む人もいるという。ある区役所の関係者は「直接訪問したり、非対面管理システムも開発して運営しているが、新型コロナ対応の業務が増えて容易ではない」と語り、「支援を差し伸べるために家を訪問することを不愉快に思ったり、怒る場合も多い」と吐露した。

城北区役所の関係者も「一度でも相談するか住民センターに来てくれれば履歴が残って管理対象に入るが、住民センター側から直接死角地帯の人を見つけるのは容易ではない」と語り、「福祉士が続けて訪問しても、その間に死亡するケースもあり、福祉士たちの負担も大きい」と話した。

専門家らは、孤独死の可能性が高い層に対し、必要な社会サービスを提供すべきだと指摘する。

ソンギュングァン(成均館)大学のパク・スンヒ社会福祉学教授は「福祉館運営のような社会サービスも孤独死防止に大きく役立つが、新型コロナ禍以降、独居世帯居住者とのつながりが途絶えた」とし、「ひとりで暮らす経済的脆弱(ぜいじゃく)階層や高齢層などに対する孤独死予防体系を整えて、個別の社会サービスを提供しなければならない」と述べた。
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