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韓国のウォンが本当に基軸通貨になる可能性があるのか、簡単に確認することができる。ドルに対するウォンの価値、すなわちウォンの対ドルレートを見るとすぐに分かる。
3月8日、ソウル為替市場で対ドルレートは前日比9.9ウォン急騰した1237ウォンで終わった。対ドルレートが1200ウォンを超えると、市場参加者は韓国経済全般に危機が訪れると認識する傾向が強い。昨年末以降、対ドルレートは1200ウォンを中心に不安な動き(1190~1210ウォン)を見せた。そして最近数日の間に30ウォン以上急騰し、1230ウォンを超えたのだ。対ドルレートの急騰は、ウォンの価値の急落を意味する。それなら他国の通貨価値はどうなのだろうか?
ドルに対する主要国の通貨の1か月以前のレート(2月8日)と、現在のレート(3月8日)を比べると以下のようになる。(GDP20位圏内の国家、通貨価値上昇順)
ブラジル・レアル:5.2593レアル→5.0599レアル、通貨価値3.79%上昇
オーストラリア・ドル:1.3992豪ドル→1.3749豪ドル、1.75%上昇
中国・元:6.366元→6.3178元、0.75%上昇
サウジアラビア・リヤル:3.7516リヤル→3.7518リヤル、0.01下落
インドネシア・ルピア:14390ルピア→14395ルピア、0.03%下落
日本・円:115.53円→115.65円、0.1%下落
スイス・フラン:0.9249フラン→0.9288フラン、0.42%下落
カナダ・ドル:1.2703加ドル→1.2888加ドル、1.45%下落
インド・ルピー:74.6933ルピー→76.89ルピー、2.94%下落
韓国・ウォン:1198.5ウォン→1237ウォン、3.21%下落
イギリス・ポンド:0.738ポンド→0.7631ポンド、3.4%下落
メキシコ・ペソ:20.6159ペソ→21.369ペソ、3.65%下落
ユーロ:0.857ユーロ→0.917ユーロ、4.71%下落
トルコ・リラ:13.5589リラ→14.4882リラ、6.85%下落
ロシア・ルーブル:74.969ルーブル→121ルーブル、61.4%下落
1か月間(2月8日→3月8日)、日本・円と中国・元の対ドル価値はほとんど変動がないが、韓国・ウォンの価値は3%以上急落した。GDP20位圏内の国家の中で3%以上急落したのは、ロシア・ルーブル、トルコ・リラ、ユーロ、メキシコ・ペソ、イギリス・ポンドだけだ。そのうち、ユーロとポンドはロシアのウクライナ侵攻による直接的な影響のせいで例外的に急落したケースであり、トルコは指導者の政策がまとまらず、経済がダメになったケースである。
結局、韓国・ウォンはほとんど同じレベルで急落したメキシコ・ペソと似たような水準の通貨だという話になる。日本、中国、インドのほか、GDP20位圏内のインドネシア・ルピアは通貨価値が0.03%下落しただけだ。同じ期間(2月8日→3月8日)、GDP20位圏以外のアジアの主要国を見ると、マレーシア・リンギットは0.07%上昇した。また香港・ドルは0.31%下落、ベトナム・ドンは0.57%下落、タイ・バーツは1%下落、シンガポール・ドルは1.52%下落、フィリピン・ペソは1.69%下落、台湾・ドルは1.8%下落しただけだ。韓国のように3.21%も下落した通貨はない。
したがって韓国・ウォンがアメリカ・ドルと同じ基軸通貨になる可能性が十分だという発言は、誇大妄想に基づく錯覚に過ぎないという結論に達する。同じ外部変数(ロシアのウクライナ侵攻)に対し、韓国・ウォンの価値が他国に比べて急落するのは、韓国経済がそれほどぜい弱な状態だということを示している。
例えば、韓国は世界最高の家計負債率(GDP対比104%、2021年6月現在)という時限爆弾を抱えている。GDP対比100%を超える国家は、世界で韓国だけだ。アメリカ(79%)、日本(63%)、ユーロ(61%)、中国(60%)と比べたら、韓国がどれほど深刻な状況なのか見当がつくだろう。同時に韓国はGDP対比の貿易(輸出額+輸入額)依存度が62%(2020年現在)となる。日本の貿易依存度25%に比べて、非常に高い状態だ。貿易依存度が高いということは、内需基盤がぜい弱だということだ。したがって韓国は、最近のような外部変数が起きると、なす術もなくリスクにさらされるしかない。また韓国の誤った経済政策(最低賃金の急激な引き上げ、不動産対策の失敗など)と外交安保政策(反日反米、親北親中)はリスクをさらに大きくしている。
(つづく)
※この記事は韓国の保守論客ファンドビルダー氏の寄稿文を日本語に翻訳したものです。翻訳の正確さに対する責任は当社にあります。
※ファンドビルダー氏:ソウル出身。高麗大学卒。韓国人が幼い頃から学び、聞き、見てきた日本関連情報の大部分が歪曲、誇張、捏造などで汚染された状態であることを残念に思い、真実を知らせる趣旨でコラムを書いている。慰安婦、徴用、外交・安保、経済など様々な分野を扱う。
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