このような韓国のひ弱な経済体質は、最近の対ドルレートの急騰(ウォンの急落)現象にそのまま表れているとみることができる。韓国政府と韓国人がいくら「韓国は先進国!」、「韓国が日本を圧倒!」と誤った情報を発信して世界の人たちをだましても、レートはだませないのだ。
1997年と2008年、2020年の対ドルレートの急騰(ウォンの急落)危機をアメリカと日本のおかげで乗り越えた韓国は、その時の危機をまるで自分たちの努力で克服したと勘違いしている雰囲気だ。
韓国人は今、韓国が世界の中心にでもなったかのような有頂天になったり、ウォンが基軸通貨になる可能性が高いという誇大妄想に陥ったりしている場合ではない。他国の通貨に比べて、むちゃくちゃに急落する姿を見せるウォンの価値をどうやって一人の力で防御するつもりなのか、考えなければならない時なのだ。
日韓通貨スワップは、2001年に20億ドル規模で出発し、2008年に世界金融危機をきっかけに増額を重ね、2011年には700億ドルにまで達した。必要時、韓国が700億ドルに相当するウォン貨(約86兆ウォン)を日本に預け、日本から700億ドル(400億ドル+300億ドルに相当する円貨)を支援してもらえる条件の通貨スワップだった。日本の立場では、何の必要もないものだったが、韓国の立場では非常時に大きな助けを得ることができる重要なものだった。
しかし、病的な反日に陥った韓国は、700億ドルの日韓通貨スワップをないがしろにして次第に金額を縮小させ、2015年に完全になくしてしまった。2013年、日韓通貨スワップの契約延長に関して、韓国は「韓国の外貨準備高が十分で、日韓通貨スワップを実際に活用(引き出し)したことはない。契約が終了しても心配ない」と高姿勢に出た。このようなやり方で国際情勢が平穏な状態なら、韓国は有頂天な態度を見せる。
そして2020年3月韓国は、コロナ禍で対ドルレートが急騰(1296ウォン)する危機に直面した。慌てた韓国は急いでアメリカに600億米ドルの米韓通貨スワップを提供してもらったことにより危機から抜け出せた。当時、締結された米韓通貨スワップは6か月間の短期契約だったが数回延長され、2021年末まで維持された。
韓国は2022年以降も米韓通貨スワップを維持するため、アメリカに延長を要請したが、2021年12月にアメリカから異例的に断られた。理由は、アメリカの方針(北朝鮮が核を放棄しなければ終戦宣言不可)に韓国政府が全面的に逆らう突発的行動(2021年9月の国連総会で「南北米中が集まって終戦宣言をしよう!」と公式提案)をしたのが決定的だった。
米韓通貨スワップ600億ドルのおかげで2020年3月の対ドルレート急騰危機から、かろうじて逃れられた直後、韓国の一部から日韓通貨スワップの復活が必要だという意見が出てきた。ところがその時、韓国のある大学教授(経済学)は番組に出演し、「日韓通貨スワップは必要ない。日本がさらに差し迫っている状況で、我々は全く差し迫った状況ではない」と発言した。
この発言は多くの韓国人から反響を呼んだ。アメリカの支援でかろうじて危機を乗り越えると、また有頂天になったのだ。当時は米韓通貨スワップ協定600億ドルが締結されている状態であり、自信満々な状況だった。
現在、韓国は中国、トルコ、インドネシア、マレーシア、オーストラリア、スイス、アラブ首長国連邦、カナダと通貨スワップ協定を結んでいる。しかし米ドル契約は1つもない。全て「ウォン貨対現地貨」の契約だ。ロシアのウクライナ侵攻のような非常時に何の役にも立たない。現在、韓国の外貨準備高は約4617億ドルだ(2022年3月現在)。BIS(国際決済銀行)が韓国の適正外貨準備高を8000億ドル水準と提示したのに比べると3400億ドルも不足した状態だ。
1997年と2008年、2020年の外貨危機をアメリカと日本のおかげで乗り越えた韓国は、もう日韓通貨スワップと米韓通貨スワップなしで、一人の力で耐えなければならない状況になった。日韓通貨スワップ(700億ドル)と米韓通貨スワップ(600億ドル)は「なくなったもの」ではなく、事実上、韓国が「蹴とばしたもの」に該当する。恩を知らず反日や反米にまい進し、謙遜を知らず有頂天になった態度を見せる非正常国家、韓国に対して、今後アメリカと日本が通貨スワップを提供してくれる可能性はほとんどないとみられる。
日本とアメリカの金融保護膜が消えた韓国が、今のような事態(ロシアのウクライナ侵攻)と今後起きるかもしれない他の外部変数に直面し、果たして一人の力で耐えられるのか、動向が注目される。日頃、大口をたたくくらいに韓国が実力を備えている状態なら、一人の力で危機をうまく克服するだろうが、もし実力のない状態なら韓国人にとっては悪夢のような状況が展開されるだろう。
悲惨なのは、初めから高く上がれないのより、高く上がってから墜落する苦痛のほうが大きいということだ。韓国は1997年に巨大財閥グループと大企業が相次いで倒れ、金融界や産業界が大混乱に陥った。当時、一日平均40の企業が倒産した。株式市場は暴落を繰り返し、ウォンの価値も毎日暴落した。多くの人が職を失い、路頭に迷った。韓国人にとって1997年は「悪夢」そのものだった。
気の毒なことに韓国はこのような1997年(IMF)の危機から得た教訓は一つもないようにみえる。もし韓国が1997年の悪夢から何か教訓を得ていたなら、少なくとも今日のような身の程をわきまえない行動はしなかったはずだ。教訓を得られなかった愚かな者に与えられる罰は、以前に経験した悪夢の繰り返しであるケースが多い。
(終わり)
※この記事は韓国の保守論客ファンドビルダー氏の寄稿文を日本語に翻訳したものです。翻訳の正確さに対する責任は当社にあります。
※ファンドビルダー氏:ソウル出身。高麗大学卒。韓国人が幼い頃から学び、聞き、見てきた日本関連情報の大部分が歪曲、誇張、捏造などで汚染された状態であることを残念に思い、真実を知らせる趣旨でコラムを書いている。慰安婦、徴用、外交・安保、経済など様々な分野を扱う。
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