今月16日、キョンギド(京畿道)スウォン(水原)コンベンションセンターで開かれた「第53期サムスン電子定期株主総会」に出席した株主らは、労組の賃金交渉要求案を強く叱責し「サムスン電子の足を引っ張るな。一線を越えるな」などの意見を示した。労組関連の批判発言が行われるたびに、場内では拍手喝采が続いた。
これに先立って労組は、昨年10月から15回にわたり、2021年度の賃金交渉を進めながら、年収1000万ウォン(約98万円)の一括引き上げや営業利益25%のボーナス支給などを要求した。交渉が物別れに終わると、中央労働委員会で2度の労働争議調整手続きを行った。しかし、サムスン電子側と、意見の隔たりを縮めることに失敗している。このため今月18日に労組は、キョンDS部門長と直接会って、給与体系の公開と休息権の要求、成果給の財源基準の変更などを話し合う予定だという。
16日の株主総会に出席したある女性株主は「労組について、言わざるをえない。故イ・ビョンチョル会長の経営哲学は無労組だった」と指摘した。
つづいて「私の資産は、相当部分がサムスン電子の株だ。そのため、注意深く見ているが、労組は無理な要求を続けている。アップルは、時価総額2800兆ウォン(約274兆円)を超えた。サムスン電子が500兆ウォン(約49兆円)にもならない状況で、労組が会社の足を引っ張ることがないように祈る」と声を高めた。
また別の女性株主も、労組が「貴族労組」に変貌するのではないかと懸念した。「韓国は貴族労組に反感がある。キョンDS部門長と労組役員が会うというが、株価向上についてはどれほど考慮されるだろうか」と疑問を提起した。
現場を訪れた他の株主らも同様に、共通の声を出している。ソウルから来た50代の男性株主は「労組が、株主に対する考慮もなく自分たちの賃金を引き上げようとしている。それを不満に思わない株主がいるだろうか」と声を高めた。ある株主は、株主総会場の前で「私は労組が大嫌いだ」というプラカードを掲げて抗議デモを行い、組合員に抗議した。
一方、サムスン電子のハン・ジョンヒDX部門長は株主総会で「株主に還元する約束を誠実に履行するため、2021年基準で年間9兆8000億ウォン(約9600億円)を配当する計画だ。株価向上のために、最善の努力を尽くす」と株主たちを慰めた。
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