イ・ユンジ の最新ニュースまとめ
その子は「7歳の子を僕たちのほうに入れれば、君たち(相手チーム)は不利にはならないだろう?」と言い、自分たちのほうにも「残念がらないで。僕が責任を持ってアイテムをもっと獲ってくるから」と説得したことで、相手の方も自分たちの方も適切に妥協したようであった。
それから子供たちは年上の子のおかげで時間も忘れて遊んだ後、満足した表情を浮かべ次の遊びを約束してそれぞれの家路に向かった。この光景を見ていた私は「あらゆる人生には競争と妥協そして配慮があるのだ」と思い、自然に笑みがこぼれた。
この遊びがうまくいくようにしたのは、いったい何だったのか。まず、7歳の子を思いやった一番年上の子の度量のある決断と、その説得する疎通の知恵だと言えるだろう。
その次は、年上の子の約束を信じて遊びを再開した他の子どもたちの信頼と、同じ仲間としての(共同体)意識だろう。そして、そのような仲間たちを信じて一生懸命遊びに参加した7歳の子どもの協力だと思う。
いまや「経済競争だけで国の順位を決められない」ということが公論化されて久しい。社会構成員との協力・指導者の疎通能力・国への信頼などが、その社会の発展をけん引するということだ。米国の政治学者フランシス・フクヤマ氏は「(このような要素である)社会的資本が、社会発展の主要な変数だ」と指摘しているが、それによると「社会構成員間の信頼が厚いほど、その社会は経済発展に有利な条件が形成される。社会構成員間の不信がまん延し協力が低下すれば、そして社会のリーダーの疎通がなければ、その社会の経済発展もそれに応じて取り残されていく」という話である。
韓国では第20代大統領選挙が終わった。これまでの政治的攻防も双方間の不信もいったん取り下げ、これからは発展的未来のための基となる韓国の土台づくりに皆が貢献できたらと思う。すでに「うまくいくようだ」「ダメだと思う」という早まった期待と懸念による互いの論争は消耗的だ。それよりも大統領が統合の意志を国民に示すこと、そして疎通のリーダーシップを発揮して、社会の各構成員が安定した社会で互いを信頼しながら、自由に本人の経済活動ができる肯定的な社会環境が築かれていくことを切に願い応援する。
我々は選挙に参加することで国民としての義務に最善を尽くしたので、民主的手続きにより選出された指導者の賢明な歩みを願うだけだ。大韓民国の発展した未来のために協力しようとする共同体の構成員として、各自の立場で一生懸命汗を流した人が正当にやりがいを感じることのできる、自分の権利と義務を行なうことにおいて全く支障のない、正常で平凡な生活が実現可能であることを信じている。
韓国ソウォン(西原)大学のイ・ユンジン社会福祉学部教授
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