韓国・イチョウの木出版社は6日、オンラインで生中継された「2022年本屋大賞」の授賞式で、ソン・ウォンピョン作家の「三十の反撃」が翻訳小説部門で1位になったと発表した。
受賞作「三十の反撃」は第5回済州4・3平和文学賞の受賞作で、2017年に韓国で出版された。その後、東野圭吾や恩田陸など日本を代表する作家の小説を出版してきた日本の出版社・祥伝社から、「アーモンド」に引き続いて矢島暁子の翻訳で2021年8月に出版された。
ソン作家の本屋大賞受賞は今回が2度目だ。本屋大賞の翻訳小説部門で英米ヨーロッパ圏の小説ではないアジア小説が受賞作に選ばれたのはソン作家の「アーモンド」(2020年受賞)が初めてだった。
本屋大賞は2004年に本屋の店員たちによって作られた文学賞だ。インターネット書店を含む、新刊を販売する書店の店員による直接投票を通じて受賞作が選ばれ、△本屋大賞、△発掘部門、△翻訳小説部門、△ノンフィクション部門の4部門に分かれている。これまで「容疑者Xの献身」、「東京タワー~オカンとボクと、時々、オトン~」「蜜蜂と遠雷」など日本を代表する作品が受賞作に選ばれ、2012年からは翻訳小説部門を新設した。
ソン作家は今回の受賞について「2度目の本屋大賞を受賞することになり、驚いており、嬉しい」としながらも「2年が過ぎた現在までも続いている新型コロナの影響で遠くから私の受賞を見守らなければならないという点が残念だ」と話した。続いて「『アーモンド』が感情についての話を取り扱った話だとすれば、『三十の反撃』は『どんな大人になるのか』という質問から始まった作品だった」とし、「今この瞬間も韓国だけでなく、日本と全世界で当時の私と似たような心情で奮闘する若者が多いと思う。そんな彼らに私の本が少しでも慰めになればと思う」と感想を述べた。
一方、「三十の反撃」は1988年に生まれて2017年に30歳(数え年)になった主人公を中心に権威意識と偽善、不当さと搾取構造の矛盾の中で耐えながら現在を生きていく登場人物たちの特別な“反撃”を描いた作品だ。日本のほか、中国と台湾で翻訳出版され、タイではとある有力出版社が出版を確定している状況だ。
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