チョン副議長はこの日の午前、日本の総理官邸で岸田首相と面談した後、取材陣たちに「新たな出発点に立った日韓両国が未来志向的な関係発展のため、また互いの共同利益のため努力すべきだということで意見が一致した」とし「望ましい対話を多く交わした」と、面談内容を短く紹介した。
代表団と岸田首相との面談は、午前10時40分から約25分間行なわれた。
チョン副議長はその後、帝国ホテルで記者たちに「ユン当選者の親書を手渡した」とし「（岸田首相が）『ユン当選者にありがとうと伝えてほしい』と語った」と伝えた。
チョン副議長は、親書の内容に関して「キムデジュン（金大中）・小渕両首脳間の合意、すなわち歴史を直視しながら未来志向的な関係を築いていこうという両首脳の合意精神を継承・発展させることが、ユン当選者の新たな日韓関係に対する整理された立場だ」とし「親書には、このような主旨の内容が盛り込まれているものと思われる」と語った。
「金大中・小渕宣言」は、1998年当時、キム大統領と小渕首相が共に発表した「21世紀の新たな日韓パートナーシップ共同宣言」である。ここには、日本による植民地支配に対する日本側の謝罪表明と、未来志向的な日韓関係発展に関する内容が盛り込まれている。
チョン副議長は「日韓両国が新たな出発点で、金大中・小渕宣言の精神を継承・発展させようということに、日本の首相も共感を示した」と語った。
つづけて「両国間の信頼回復が何よりも重要だ」とし「そのために、新型コロナウイルス感染症などにより中断された人的交流の拡大と活性化、このための諸般の制度的基盤の改善が必要だという意見を伝え、岸田首相も共感を示した」と語った。
また、来月10日に行なわれるユン氏の大統領就任式への岸田首相の出席に関しては「首脳の就任式出席は、慣例にしたがって日本が決定する問題で、就任式の招請はなかった」とし「日本が（岸田首相の）出席の意思を（こちらに）伝えれば、我々は誠意を尽くしてお迎えする準備はできている」と語った。
この日の面談で、慰安婦問題や元徴用工問題など両国間の歴史問題についても、原論的なレベルで意見交換されたことが伝えられている。
チョン副議長は「日本は元徴用工判決による資産現金化問題について、非常に厳重な認識をもっているが、（こちらとしても）厳重な認識であることを共有していると語った」とし「全ての当事者が受け入れ可能な解決法を見出すため、外交努力を傾けていくと語った」と付け加えた。
慰安婦問題については「2015年の慰安婦合意精神にのっとって、被害者の名誉と尊厳の回復・癒しの精神に立脚し、両国の解決法を探っていく外交的努力を傾けていこうと語った」と伝えた。
日本政府はこれまで、慰安婦問題や元徴用工問題に関して「韓国側が解決法を提示せよ」と要求してきた。
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