イ・ジェヨン の最新ニュースまとめ
バイデン大統領の今回の歴訪日程を見れば、韓国と日本での行動が明確に区分される。韓国では経済外交を通して実利を得てユン・ソギョル(尹錫悦)大統領との疎通に集中したとすれば、日本では経済・安保共同体を前面に押し出して中国を圧迫することに力を入れた。
◇新政権発足11日目での米韓首脳会談…経済外交を前面に
今月20日午後、バイデン大統領が韓国に到着するやいなや、真っ先に訪れたのはキョンギド(京畿道)ピョンテク(平沢)市にあるサムスン電子の半導体工場だった。バイデン大統領はサムスン電子の工場でユン大統領と初めてあいさつを交わし、サムスン電子のイ・ジェヨン副会長の随行を受けてユン大統領と一緒に工場を視察した。半導体は米国が“戦略資産”に挙げるほど念を入れている分野だ。米韓間の経済安保同盟を強固にするための戦略的な選択だった。
翌日の21日には国立ソウル・ヒョンチュンウォン(顕忠院)参拝で一日の日程を開始し、午後からはヨンサン(龍山)の大統領執務室庁舎で米韓首脳会談を行った。韓国で新政権が発足して以来、最短期間(11日目)で開かれた米韓首脳会談だった。少人数首脳会談、単独歓談、拡大首脳会談の順で進められた首脳会談は、当初予想されていた90分を超えた109分間行われた。米韓両国の首脳は北朝鮮の武力挑発を糾弾し、米韓共同軍事演習の拡大に合意し、グローバルサプライチェーンの協力を強化することで合意した。
バイデン大統領は訪韓最終日の22日には、現代自動車グループのチョン・ウィソン会長と面談した。チョン会長は米国ジョージア州の電気自動車生産工場の新設を含め、計105億ドル(約1兆3300億円)規模の投資に踏み切ると明らかにし、バイデン大統領は“太っ腹”な投資に感謝の意を表した。今回の訪問の始まりと終わりをすべてビジネス外交で飾ったわけだ。
国内外では、今回のバイデン大統領の訪韓期間中、米韓首脳が工場視察や首脳会談、歓迎夕食会、平沢オサン(烏山)空軍基地訪問などのきめ細かい日程を共に消化し、友好的な関係を固めたことについても高く評価した。戦略国際問題研究所(CSIS)のビクター・チャ学局碩座は「最後にバイデン大統領が(ユン大統領に)『あなたを好み、信じる』と言ったのが今回の会談の核心だ」と述べた。
◇日本ではIPEF・クアッドなどインド太平洋戦略が本格化
今月22日に日本に渡ったバイデン大統領は、日本ではインド太平洋戦略の具体化に力を注いだ。アジア地域で中国をけん制し、同盟を通した米国の影響力を強化するためだ。
日本到着後に一日間の休息を取ったバイデン大統領は23日、岸田文雄首相と首脳会談を行った後、「インド太平洋経済枠組み(IPEF)」の発足を公式宣言した。IPEFは米国主導で発足した新しい経済通商協力体で、中国をけん制する経済安保同盟の性格が強い。韓国や日本をはじめ、計13ヵ国が参加することにした。
今回の日米首脳会談でバイデン大統領が国連安全保障理事会(安保理)改革の必要性に言及し、日本の安保理常任理事国入りを支持すると言ったことも中国に対する圧迫とけん制の意味を込めたものと解釈される。
訪日最終日の24日には東京で米国、日本、オーストラリア、インドが参加する対中国けん制協議体「クアッド(Quad)」の首脳会議を開いた。クアッドの対面首脳会議が開かれたのは昨年9月に続き2度目だ。
バイデン大統領はクアッド首脳会議後、日本でインドのナレンドラ・モディ首相と首脳会談を開催した後、同日夕方に米国行きの飛行機に乗った。米国にとって、インド太平洋地域で最も確実な同盟国である日本で、対中けん制のために最も重要な役割を果たさなければならないインドの首脳との会談を行ったのだ。
日本経済新聞は「中国とロシアの覇権主義に対抗して、米国主導のアジア秩序再構築を試みるための外交戦が本格化している」とし、域内国家はバイデン大統領が今年11月の中間選挙でどのような結果を出すかに注目し、それ以後の米国のリーダーシップについて再評価すると分析した。
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