ソンフン の最新ニュースまとめ
今月3日、韓国大統領室によると、ユン大統領は今月29~30日にスペイン・マドリードで開催されるNATO首脳会議への出席を有力視している。儀典選抜隊を現地に派遣する計画で、就任後初の海外日程のための実務作業に着手した状態だ。外交界では、今年9月にニューヨークで開かれる国連総会とユン大統領が出席を公言した来年1月にスイスで開催されるダボス会議(世界経済フォーラム年次総会)を外交日程として挙げている。中国が肯定的なシグナルを送ってきた年内の日中韓首脳会談開催も関心事であり、実現するなら今回はソウルで開催される番になる。主要7ヵ国(G7)首脳会議については、今年の招待対象国から外されたという。
北朝鮮が今年だけで6回の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射を断行し、7回目の核実験が差し迫っている状況で、朝鮮半島における緊張感が高まっているだけに、ユン大統領の最大の外交課題は北朝鮮の核問題への対応だ。ユン大統領は先月21日、米韓首脳会談を機に日米韓三角同盟体制の本格稼動を宣言した。そして先月25日の北朝鮮のICBMおよび短距離弾道ミサイル発射への対応で、初の日米韓協力体制を誇示した。国家安保室長をはじめ外交部長・次官、北朝鮮核問題首席代表まで各級単位で日米韓が団結したのだ。国連安全保障理事会(安保理)で米国が推進した追加の対朝制裁決議案が常任理事国である中国とロシアの反対で霧散となり、中朝露と日米韓の対決構図は固着化している。
このような日米韓三角体制での最大の課題は、日本との関係改善だ。日韓両国は厳重な国際情勢の中で早急な日韓関係改善が欠かせないということで意見が一致した。ただ、日本が依然として両国の懸案に対して前向きな態度を見せていない。歴史歪曲(わいきょく)教科書問題をはじめ、韓国の竹島近隣海洋の科学調査船に対する問題提起、福島原発処理水の海洋放出問題まで、敏感な懸案は依然として平行線だ。日韓両国の政府は両国が実務級単位で“速度感を持って”疎通をしているということに意味を付与しているが、国民の共感を得られない状態で両国の懸案を扱っては、ややもすれば逆風が吹く恐れがある問題だ。
米中葛藤が激化する状況で、ユン大統領の大衆政策も課題として残った。米国が主導する中国けん制の性格を帯びた協議体であるインド太平洋経済枠組み(IPEF)に韓国が初期会員国として加入し、中国は激しく刃をつきつけてきている。このような状況で、ユン大統領が対朝政策を推進する上では北朝鮮の友好国である中国の役割も重要だ。韓国国家安保室のキム・ソンハン室長は今月2日、中国共産党政治局のヤン・チエチー(楊潔チ)局員との電話協議で「北朝鮮が追加挑発を自制し、対話に復帰できるように中国側が積極的・建設的役割を果たしてほしい」と要請した。
今月末に予定されているNATO首脳会議は、このように朝鮮半島をめぐる新冷戦構図の中での尖鋭な利害関係が絡んでいる状況で開催される。今回の首脳会議にはユン大統領と日本、オーストラリア、ニュージーランドなどインド太平洋の非加盟国首脳が招請された。米国は今回の会議で中国の軍事的浮上を新たな脅威と規定する“戦略概念”(Strategic Concept)を採択すると明らかにした。戦略概念とは、NATOの安保環境評価と中長期戦略を盛り込んだ文書で、米国は2010年以後、10年ぶりにこの概念を新たに規定する方針だ。さらに、今回の会議を機に日韓首脳が対面するだろうという観測も出ている。ただし、議題を上程して会い、首脳会談をするには両国の懸案に対する意見調整が容易ではないという理由で「プルアサイド」(pull-aside / 略式会合)形式の会談の可能性も言及される。
韓国・国民大学のチョン・ソンフン教授は「米韓関係と日韓関係はかみ合っているため、日韓関係の改善なしには米韓関係も私たち(韓国政府)が望む方向に進むことは難しいだろう」とし、「中韓関係も再設定しなければならない」と挙げた。チョン教授は「幹が揺れないように木が大きいように、すべての政策は基本が重要だ」として、「明確な方向と原則を土台に具体的な議題として推し進める姿を見せなければならない」と助言した。
Copyright(C) herald wowkorea.jp 84