韓国を訪問中のキンタナ特別報告者(中央)が国内の関連団体の代表と面会した(転換期正義委員会ワーキンググループ提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
韓国を訪問中のキンタナ特別報告者(中央)が国内の関連団体の代表と面会した(転換期正義委員会ワーキンググループ提供)=(聯合ニュース)≪転載・転用禁止≫
【ソウル聯合ニュース】北朝鮮の人権問題を担当する国連のキンタナ特別報告者が28日、韓国・ソウルの国連人権事務所で、北朝鮮の人権問題に取り組む団体や拉致被害者の家族会などの代表と面会した。同席した転換期正義委員会ワーキンググループのイ・ヨンファン代表によると、キンタナ氏は国連が北朝鮮の人権に関する調査を円滑に進めるには、北朝鮮の実態を最もよく知っている脱北者が無事に韓国入りする必要があると述べた。

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 団体側は、海上ルートで北朝鮮脱出を試みた住民を歴代の韓国政権が北朝鮮に帰らせ、これを隠蔽(いんぺい)するケースが数百件あったとし、徹底した真相解明が必要だと訴えた。韓国政府へ全面的な再調査の勧告を求めた。

 また、朝鮮戦争時に北朝鮮の捕虜となった韓国軍兵士の生存者や北朝鮮による韓国民間人の拉致被害者とその子どもに関し、韓国政府として現況を調査する必要性があるとの考えを伝えた。2020年に黄海を漂流していた韓国の男性公務員が北朝鮮軍に射殺された事件についても意見を交わした。

 韓国の前政権下で北朝鮮に送り返す住民の一時待機施設を南北軍事境界線がある板門店近くに建設することが検討されたとする報道について団体側が言及すると、キンタナ氏は初めて聞く話だとしながら、統一部に確認してみると答えたという。

 キンタナ氏は「きょうの話すべてに共感する」と述べ、29日に政府関係者と会う際に、拉致被害の真相の調査をはじめとするこれら事項に対し措置を取るよう口頭で勧告する考えを示した。

 同氏は29日に権寧世(クォン・ヨンセ)統一部長官を表敬し、金基雄(キム・ギウン)統一部次官、李度勲(イ・ドフン)外交部の第2次官と面談する予定だ。

 キンタナ氏は27日から3日間の日程で来韓した。今夏で任期が終了するため、任期中の来韓は今回が最後になる見通し。

 北朝鮮の人権問題に関する国連特別報告者は2004年に国連人権理事会の決議により設置された。北朝鮮の人権状況を調べ、国連総会と人権理事会に報告する役割を担う。


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