【ソウル聯合ニュース】在日コリアンの祖国貢献をまとめた書籍「在日同胞の母国愛」(原題)が4日、韓国で出版された。日本で在日コリアン向け新聞を発行する統一日報の李民晧(
イ・ミンホ)ソウル支社長が著した。同書は「日本で大韓民国を叫ぶ」を副題に、日本による植民地時代に故国を離れ日本に渡った同胞が、故国が危機的な状況に直面するたびに支え、発展に貢献した姿を伝える。 同書は、2019年から最近まで韓国テレビ局KBS韓民族放送の番組で取り上げた同名コーナーの内容を凝縮した。6部で構成されている。 第1部は在外国民初の故国参戦となった在日同胞の学徒義勇軍の朝鮮戦争参戦から始まり、1988年のソウル五輪開催に向けて呼び掛けた募金の100億円で競技場を建設したこと、90年代末のアジア通貨危機時に在日本大韓民国民団(民団)と在日同胞社会が母国に15億ドル(現在のレートで約2030億円)を送金したことなどを紹介した。 第2部は日本にある韓国公館10カ所のうち9カ所を、在日同胞が建設、寄贈したいきさつを文献や取材などから追った。第3部は韓国最初の輸出工業団地、ソウルの九老工業団地(現ソウルデジタル産業団地)誕生秘話や、日本の韓流ブームにつながった在日同胞による90年代の韓国製品愛用運動、82年に在日同胞が設立した新韓銀行の成長などを取り上げた。第4部は日本各地での学校設立、韓国南部・済州島を観光地に押し上げるきっかけを作った最初のホテル建設を巡るエピソード、韓国の桜祭りの先駆けである鎮海軍港祭、民団青年会が主導した植樹運動などをまとめている。 第5部は在日同胞のスポーツ史を記録写真とともに振り返り、6部は韓国建国の基礎を築き上げた功労で建国勲章を受章した独立運動家と、祖国からさまざまな勲章を贈られた同胞を紹介する。 著者の李氏は「韓国近現代史に在日同胞の母国貢献を組み入れなければならない」と述べ、「韓国は在日を不完全な存在と見るのではなく、祖国の運命を共にした在日同胞の勇気を記憶しわれわれの記録として残す必要がある」と強調した。
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