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釜山市は昨年6月、2030年の万博誘致に正式に立候補を表明し、万博の誘致申請書を博覧会国際事務局(BIE)に提出した。テーマは「世界の大転換、より良い未来に向かう航海」。「持続可能な地球」、「人類のための技術」、「共有と思いやりの場」という3つのサブテーマを掲げ、未来のパラダイムシフトに向けたグローバルなビジョンを提示するとしている。
昨年12月、BIE総会が開かれ、誘致に名乗りを上げている国(都市)による1回目のプレゼンテーションが行われた。韓国は政府や誘致委員会、釜山市の代表が演説したほか、釜山万博のテーマ発表や、映像による釜山の紹介などを行った。
ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は、釜山万博開催を主要国政課題の一つに掲げ、誘致活動を政府主導で進めていく方針を表明。政府は企業や公共機関、自治体と協力し、BIE加盟170か国を対象とした誘致活動を強化する。韓国のLGやサムスン、SK、現代自動車など国内の代表企業はタスクフォース(TF)を発足。釜山誘致に向けた誘致活動を活発化させている。
万博は会場の規模やテーマなどから、主に登録博覧会(登録博)と認定博覧会(認定博)の2つに大別される。最大規模の万博である登録博は、1995年以降は5年ごとに開催される。一方、認定博は5年ごとに開催される登録博の間に開かれる、比較的小規模な博覧会。開催期間は登録博が6週間以上6か月以内、認定博は3週間以上3か月以内と定められている。
韓国は1993年にテジョン(大田)国際博覧会(特別博)、2012年にヨス(麗水)国際博覧会(認定博)を開いているが、登録博の開催はこれまで一度もなく、それだけに釜山万博の開催実現は悲願でもある。
しかし、2025年に大阪万博が開かれるため、開催地が一定の大陸に偏らないようにする「大陸間配分原則」により、釜山が選ばれるのは難しいのではないかとの見方もある。また、2005~2025年までの5回の万博(登録博)のうち、アジアでの開催が3回に上ることも懸念材料だ。
30年万博の誘致に名乗りを上げているのは釜山のほか、サウジアラビアのリヤドやイタリアのローマ、ウクライナのオデッサなど。先月、立候補国による2回目のプレゼンテーションが行われ、ハン・ドクス首相は「韓国は20世紀半ば以降、戦争、貧困、経済危機などの難題を克服し、世界10大経済大国として成長した。韓国の成長の秘訣は全国民が力を合わせ、教育、革新、世界との協力に尽力してきたことにある」と強調。その上で「こうした経験を、人類共通の問題解決のため加盟国と共有することを望む」とし、「より良い未来のための青写真を世界の人たちと共に描く準備ができている」と訴えた。
誘致のための広報活動をさらに強化しようと、誘致委員会は「BTS」を釜山万博広報大使に委嘱することを決めた。その活動の一環として10月に釜山でコンサートを開くことになり、所属事務所のビッグヒットミュージックが今月7日、発表した。「BTS」が韓国内でコンサートを行うのは、ソウルで3月に開催して以来となる。
ビッグヒットミュージックの親会社の総合エンターテイメント企業「HYBE(ハイブ)」のパク・ジウォン代表は「HYBEは釜山市と結んだ業務協約に従い、国にとって重要な事業である万博の釜山誘致のため積極的に協力する方針」と話した。
今後、9月の誘致計画書提出、来年3月の現地調査を経て、来年11月のBIE加盟国による投票で開催国が決まる。
韓国は世界的に知られる「BTS」を広報大使に委嘱することで、今後の誘致活動を優位に進めることができるか。
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