フードデリバリー業界、配達員の10万人が離脱=韓国(画像提供:wowkorea)
フードデリバリー業界、配達員の10万人が離脱=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国では物価の上昇や、新型コロナによる社会的距離規制の緩和などで配達注文が減ったため、離脱する配達員が増加しているという。今年3月と比べ、配達員は少なくとも10万人以上減ったものとみられる。オンラインの中古取引プラットフォームには、配達用バイクの物件があふれている。

 15日、韓国最大のバイクオンラインコミュニティには、125cc未満のバイクを販売するという投稿が、1時間で約40件も掲載された。ほとんどが保温用配達箱やスマホホールダーなど、配達に必要な備品も付いている。先月、該当のコミュニティに掲載された125cc未満のバイク販売投稿は約4770件で最高値を記録した。フードデリバリーをやめて業界を離れるライダーが多いという意味だ。

 配達員の離脱はアプリ利用者数でも明らかだ。先月、ベミンコネクト(配達員用)アプリの月間利用者数は21万人で、この1年間で最低値を記録した。クーパンイッツの配達員アプリも利用者数が38万6700人で、過去18か月の中で最低水準だ。今年3月に比べて両アプリともに、利用者数が10万人減った。

 配達員が離脱する主な原因は、減収とみられる。新型コロナがピークの時は、フードデリバリーで月収300万ウォン(約315000円)稼ぐのはたやすいなどと脚光を浴びた。月1000万ウォン(約105万円)以上の収益を上げたとか、借金2億ウォン(約2100万円)を返したという記事も登場し、業界でも話題になったという。しかし、今は状況が180度変わった。月300万ウォンどころか、月200万ウォン(約21万円)も稼ぐのは容易でない。

 物価上昇で、消費者も出前注文を減らしている。1人分だけ出前しても最低注文金額や配達料などを加えれば、一般的に一食当り平均1万2000ウォン(約1260円)以上になるためだ。統計庁の国家統計ポータル(KOSIS)によると、先月の外食物価指数は前年同期比8%上昇した。1992年10月(8.8%)以来、29年9か月ぶりの最高上昇率だ。

 配達アプリの利用減少も目立っている。アプリ・リテール分析サービスのワイズアプリによると、6月の配達アプリ3社(配達民族・ヨギヨ・クーパンイーツ)の決済推定額は、1兆8700億ウォン(約1964億円)で年間最低値を記録した。

 足元に火がついた配達アプリの苦難は当分続く見通しだ。対応策として包装手数料の賦課など、さまざまな案が検討されている。現在、配達アプリ3社の中で、ヨギヨだけが包装注文仲介手数料を受け取っている。しかし、拡大する可能性が高くなった。この他にも配達物品の多様化、配達員の月給制など自救策を用意中だ。
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