パク・ジヒョン の最新ニュースまとめ
朴氏は北東部のカンウォンド(江原道)ウォンジュ(元州)市出身の26歳。元社会活動家で、2019年7月に学生グループ「追跡団花火」を結成し、韓国社会を震撼させた「n番部屋事件」を最初に暴いた人物として知られている。当時大学生で、記者を志望していた朴氏らが取材を試み、その後、韓国紙・ハンギョレ新聞に資料を提供して事件は明るみとなった。
「n番部屋事件」とは2018年12月から2020年3月にかけて、74人もの韓国人女性が性的な写真や動画の撮影を強要され、その動画や写真が通信アプリ内に作られたチャットルームで売買されていた事件。被害者には未成年者も含まれていた。犯人はSNSでアルバイトと称して女性を集めていた。このチャットルームは複数存在しており、それぞれ「1番の部屋」、「8番の部屋」と呼ばれたことから、事件は「n番部屋事件」との名称がつけられた。
その後、朴氏は、「共に民主党」の大統領選公認候補だった李在明氏の目に留まり、同党の中央選挙対策委員会の女性委員会副委員長に抜擢された。選挙期間中、朴氏は李氏と遊説を共にし、李氏の対立候補だった現大統領のユン・ソギョル(尹錫悦)氏を批判。「韓国の分裂と対立、そして嫌悪を助長する尹錫悦がこの国の大統領になることがあってはならない」と訴えた。
李氏が大統領選に落選した後、朴氏は党の非常対策委員会の共同委員長に抜擢され、事実上の党代表に。党が抱える問題に対して繰り返し苦言を呈して改革を訴えてきた。しかし、過激な発言が党の重鎮たちの逆鱗に触れ、軋轢(あつれき)が生じることにもなった。5月に行った会見で朴氏は「ネロナムブル(私がすればロマンス、他人がすれば不倫=身内に甘く、身内以外に厳しいこと)の汚名をそそぎ、『共に民主党』をファンクラブ(熱烈な支持層が支える)政党ではなく、大衆政党にする」、「586世代(60年代生まれで、80年代に大学に入学した学生運動経験者)の勇退など、若い民主党へと向かう道を歩まなければならない」と発言。「586世代」に当たる党指導部や所属議員らの怒りを買った。党所属議員からは「朴委員長の率直かつストレートな発言は国民に響いたと思う」と朴氏を擁護する声も上がったが、発言から3日後、朴氏は謝罪した。
朴氏が謝罪したことで一連の内紛はひとまず沈静化したが、非常対策委員長として迎えた先月の統一地方選挙で「共に民主党」は惨敗。朴氏の責任を問う声が高まった。
しかし、朴氏は「(統一地方選の結果は)私にももちろん責任がある。しかし私は引き続き反省と刷新をすべきだと主張してきたがこれを(党内から)拒否され貫徹されていない」と主張し、党代表選への出馬を宣言した。5日にはSNSを通じて「私は4月1日、わが党の中央委員会で84.4%の賛成を得て非常対策委員長、すなわち臨時党代表に選出された。党はその時、党員になって1か月の私に(党代表選の)被選挙権を与え、党員の審判を受けさせることにした」と強調し、「国民に約束した通り、候補者登録をする」と記した。朴氏はその後、15日に記者会見を開いて出馬を正式に宣言した。自身が目指す「共に民主党」像について▽より若い民主党▽より厳格な民主党▽より信頼できる民主党▽民心を支える民主党を掲げた。
党代表選をめぐっては、17日には李在明氏が出馬表明。党員の支持が厚い李氏の当選が現時点では濃厚とみられている。その李氏は朴氏について「多くの可能性を持ったわが党の重要資産である」と評価している。一方、朴氏は李氏が出馬宣言する前、党代表選で李氏と対決する可能性があることについて出演したニュース番組で問われ「李議員が党の代表になれば、わが党内の派閥の対立がより一層激しくなるという声が党内に多い。分党する懸念もあるとの声も上がっている。私も同調する。また、現在、李議員はさまざまな捜査の対象となっている。尹政権や与党はこれを追及しようとするだろう。そうなれば、わが党は防御するのに精いっぱいだ」と懸念を示した。
朴氏と李氏を中心に、今後、党代表選がどのように展開されるか注目される。
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