ソウル地下鉄「妊婦優先席」ピンクライト導入=韓国(画像提供:wowkorea)
ソウル地下鉄「妊婦優先席」ピンクライト導入=韓国(画像提供:wowkorea)
韓国ソウル地下鉄内の「妊婦優先席」に、妊婦が近くにいることをアラームや光で知らせる装置が導入される。ただ、通知装置により、妊婦優先席をめぐるトラブルや実効性の問題を解決できるかが注目される。

20日、ソウル市によると、ソウル交通公社は今年中に、地下鉄2号線に妊婦優先席通知システムである「ピンクライト」事業を試験運営する予定だ。ソウル交通公社関係者は「今年の試験運営後、乗客の反応を検討し、他の路線にも拡大設置する計画」と述べた。

ソウル地下鉄は、2013年12月から一般座席の左右両端に「妊婦優先席」を運営中だ。ただ、妊婦でない人が席を譲らなかったり、妊娠初期の場合は配慮を受けにくい。また妊婦優先席をめぐるトラブルも絶えなかった。 2020年6月にはソウル地下鉄2号線で、70代の男性が妊婦優先席に座ろうとした30代の妊婦とトラブルが発生し、肩を殴るなど、暴行容疑で警察調査を受けた。

これにより、妊婦優先席の実効性を高めるため、釜山(プサン)市が導入した、妊婦優先席通知システムである「ピンクライト」を導入しようという意見が着実に提起されてきた。ピンクライトは、ビーコンを持つ妊婦が地下鉄に搭乗し、妊婦優先席1.5m以内に近づくと「近くに妊婦がいるので席を譲ってほしい」というコメントがスピーカーから2度出てくる。また、座席に設置されたピンク色の光が10秒ほど点滅し、妊婦が近くに来たことを知らせる。ビーコンを所持した妊婦がすでに席に座っていると、他の妊婦が近くに来ても通知は機能しない。

釜山市は、2016年ピンクライト導入以後、2017年3号線、2018年1号線、2019年2・4号線の全区間にピンクライトを拡大した。釜山交通公社関係者は「ピンクライト関連調査では、85%が満足するという回答をした」とし「追加設置を要請する意見はもちろん、他の自治体でも導入の問い合わせが少なくない」と説明した。

ただし、費用対効果に対する懸念も相変わらずだ。ソウル交通公社保有の車両数は、釜山の3倍で、利用者もはるかに多い。釜山市は2017~2019年、電車に受信機を設置し、ビーコンを製作するのに合計7億ウォン(約7400万円)ほどの予算を投入した。地下鉄ごとに受信機4個ずつ計576個を製作し、ビーコンは計2万8000個を製作・配布した。以後、メンテナンス費用もあり、毎年編成された予算は8500万ウォン(約895万円)だ。これは妊婦に配布するビーコンを継続的に製作し、受信機バッテリーも交換をしなければならないからだ。

また、地下鉄内の騒音問題や配慮強要が発生するという指摘も出ている。ソウル市の関係者は「地下鉄内の音声による騒音問題もあり、交通の優先席は強制できない部分なので、慎重であることは事実」とし「妊婦優先席を活性化するため、他の改善方向についても着実に検討中」と付け加えた。

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