イ・ジョン の最新ニュースまとめ
北朝鮮の攻撃に備えた、朝鮮半島の有事を想定して実施される米韓合同演習は、大規模な年次演習として野外機動演習「フォールイーグル」と指揮所演習「キー・リゾルブ」、「ウルチ(乙支)フリーダム・ガーディアン」がある。このほか小規模な演習を含めて年に数10回にわたって演習が行われている。1975年に始まった「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」と94年に始まった「キー・リゾルブ」は、反撃や先制攻撃の手順、米軍の増援兵力受け入れなどをコンピュータシミュレーションで行う訓練。85年から始まった「フォールイーグル」は、毎年春先に兵器を多数動員して行われる。米韓は防疫目的と主張しているが、北朝鮮は侵攻演習だとして毎回反発。演習の中止を対米・対南(韓)関係再開の条件として掲げている。
2018年の米朝首脳会談や南北首脳会談など、北朝鮮との融和ムードの高まりを受け、縮小または廃止された。「フォールイーグル」と「キー・リゾルブ」は事実上廃止され、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」は合同指揮所訓練(CCPT)に置き換えられたことで、米韓両軍からは、訓練不足や弱体化を懸念する声が出ていた。しかし、今年5月に大統領に就任した尹氏は、同月に行われた米韓首脳会談の終了後にバイデン氏と発表した共同声明で「北朝鮮の進化する脅威を考慮し、朝鮮半島とその周辺での合同演習及び訓練の範囲と規模を拡大するための協議を始めることで合意した」と明らかにした。
これを受け国防部のイ・ジョンソプ長官は22日、尹氏に対し、前政権で縮小・廃止された合同演習を「正常化」するとし、上半期には「フリーダムシールド」、下半期には「ウルチ・フリーダムシールド」という名称で大規模な合同軍事演習を実施することを報告した。「フリーダム(自由)」は米韓同盟の変わらない価値を、「シールド(盾)」は米韓同盟の北朝鮮に対する強い抑止力と、防衛目的の正当な演習であることを示しているという。
「ウルチ・フリーダムシールド」は、「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」と似た訓練で、来月22日~9月1日まで実施する合同演習は、「ウルチ・フリーダムシールド」を行う。2017年を最後に廃止された「ウルチ・フリーダム・ガーディアン」が事実上、5年ぶりに復活することになる。国防部によると、米韓両軍は旅団級の大規模訓練も含めて11の実動訓練を実施する予定。イ氏から報告を受けた尹氏は「韓米同盟の強化に合わせて訓練を徹底せよ」と指示した。
一方、北朝鮮は今年に入り異例のペースでミサイル実験を行っており、現在、7回目の核実験を準備しているとみられている。長く停止していた実動訓練の再開は、北朝鮮の核・ミサイル開発を抑止する狙いもある。尹氏は22日に記者団から北朝鮮の核実験の可能性について問われ、「決心さえすれば、いつでもできる状態にあるとみている」と述べた。
一方、日本政府は22日午前の閣議で、2022年版防衛白書を了承した。白書には外国から攻撃があった場合の日本の「反撃能力」(敵基地攻撃能力)について初めて言及したが、「いわゆる『先制攻撃』は許されないとの考えに変更はない」との見解も盛り込んだ。
また、白書では北朝鮮情勢について「2016年以降、3回の核実験を強行するとともに、90発を超える弾道ミサイルなどの発射を繰り返すなど、その軍事的行動は我が国の安全に対する、重大かつ差し迫った脅威となっている」と懸念を示した上で、「防衛省・自衛隊としては、引き続き、北朝鮮が大量破壊兵器・ミサイルの廃棄に向けて具体的にどのような行動をとるのかをしっかり見極めていくこととともに、米国などと緊密に連携しつつ、必要な情報の収集・分析及び警戒監視などを実施している」と記した。
Copyrights(C)wowkorea.jp 3