タヌリは先月初め、韓国中部・大田の韓国航空宇宙研究院で特殊コンテナに載せられ、航空便で同基地に運ばれた。その後、基地内で点検や通信テストといった準備作業を全て済ませた。
当初は今月3日午前8時20分(米東部時間2日午後7時20分)ごろに打ち上げられる予定だったが、ファルコン9の点検中にエンジンセンサーの異常が見つかったことから2日延期された。
ファルコン9は1段目と2段目の分離、衛星を保護するフェアリングの切り離しなどを経て、打ち上げから約40分後、地表からおよそ1656キロ離れた地点でタヌリを分離する。打ち上げから約60分後以降にタヌリと地上局との最初の交信が行われる予定だ。
タヌリは地球や太陽の重力を利用する方式で移動し、12月16日に月周回軌道に乗る。同31日に月の上空100キロの軌道に入り、本体の機能テストなどを経て来年2月から12月まで与えられた任務を遂行する。
タヌリには、米航空宇宙局(NASA)が開発した月面を撮影する特殊カメラ「シャドーカム」と、韓国で開発された五つの機器が搭載されている。五つの機器は高解像度カメラ(韓国航空宇宙研究院)、偏光カメラ(韓国天文研究院)、磁場測定器(慶熙大)、ガンマ線分光計(韓国地質資源研究院)、宇宙インターネット機器(韓国電子通信研究院)。
宇宙インターネット機器に保存されたファイルには電子通信研究院のPR映像や韓国人気グループBTS(防弾少年団)のヒット曲「Dynamite」などが収められており、このファイルを再生して地球に送る実験が行われる。
このほか、タヌリは搭載した科学機器を用いて月面全体の偏光地図製作、韓国の月着陸候補地の探査、磁場測定、月資源の調査といった任務を遂行する予定だ。
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