イ・ジョン の最新ニュースまとめ
タヌリは米ベンチャー「スペースX」のロケット「ファルコン9」で打ち上げられた。当初は今月3日午前8時20分(米東部時間2日午後7時20分)ごろに打ち上げられる予定だったが、ファルコン9の点検中にエンジンセンサーの異常が見つかったことから延期になっていた。
聯合ニュースによると、タヌリには、米航空宇宙局(NASA)が開発した月面を撮影する特殊カメラ「シャドーカム」と韓国で開発された5つの機器が搭載されている。5つの機器は高解像度カメラと変更カメラ、磁場測定器、ガンマ線分光計、宇宙インターネット機器。本体と搭載体を合わせた重量は678キロある。タヌリは韓国語で「月を楽しむ」という意味。
宇宙インターネット機器に保存されたファイルには、電磁通信研究院のPR映像や、韓国の人気グループBTS(防弾少年団)のヒット曲「Dynamite(ダイナマイト)」などが収められているという。このファイルを再生して地球に送る実験が予定されている。
打ち上げられたタヌリが、午前9時40分ごろ地上局との最初の交信に成功すると、関係者は喜びと安堵(あんど)の表情を見せた。科学技術情報通信部のイ・ジョンホ長官は「地球の重力を初めて脱して月に向かうタヌリは、韓国の宇宙探査の歴史の第一歩として刻まれることとなるだろう」と語った。その上で、「タヌリは最初の交信に成功し、月への旅を本格的に始めた」とし「タヌリが全ての任務を成功裏に成し遂げるまで、政府は支援と努力を惜しまない」と話した。
その後、午後に無事軌道に乗ったことが確認されると、ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領もコメントを発表。SNSを通じて「タヌリは新資源大国・宇宙経済時代を前倒しする韓国の先発隊だ」と喜びを示しし、「広い宇宙で堂々と翼を広げたタヌリが伝える夢と希望、忍耐のメッセージを思いながら、今年の年末にタヌリから送られる月の表情とBTSの『Dynamite』を楽しみにしている」とつづった。
タヌリは地球や太陽の動力を利用する方式で移動し、予定では12月16日に月周回軌道に乗せる。そして同月31日に目標とする月の上空100キロの軌道に入り、本体の機能テストなどを経て来年2月から12月まで任務を遂行する。具体的には月着陸候補地の探索と表面鉱物の分析、磁場・放射線観測、宇宙インターネット技術検証などを予定している。
月探査は既に日本や米国、ロシア、欧州連合(EU)、中国、インドが実施している。タヌリが12月に月に到着し探査任務を始めれば、韓国は世界で7番目の月探査国になる。韓国メディアは「韓国の宇宙技術が先進国水準に発展したことを意味する」と伝えた。
韓国は近年、宇宙開発に力を入れており、昨年には日本も参加する米国主導の有人月探査「アルテミス計画」に加わった。今年6月には韓国が独自開発した初の国産ロケット「ヌリ号」を打ち上げ、搭載した衛星を目標の軌道に乗せることに成功。「自力で衛星の打ち上げが可能な世界7番目の国になった」と歓喜に沸いた。タヌリは7年かけて開発し、2367億ウォン(約236億円)の予算が割り当てられた。
現政権は、宇宙産業を本格的に育成すると意気込んでいるが、課題もある。今年の韓国政府の宇宙産業予算は7340億ウォンで、米国(約69兆ウォン)や中国(約13兆ウォン)、日本(約5兆ウォン)に比べはるかに少ない。専門家からは「政府が大々的な投資で後押しする必要がある」との声が上がる。また、米国の航空宇宙局(NASA)、日本の宇宙航空研究開発機構(JAXA)のようなコントロールタワーも今後必要になるだろう。
Copyrights(C)wowkorea.jp 3