ASEAN関連外相会議は、議長国カンボジアのプノンペンで3年ぶりに対面形式で開かれた。ASEAN加盟国の外相のほか、日米韓の外相などが参加した。
朴氏は参加国の外相らと活発に会談や対話をし、4日のASEAN関連の夕食会の席では北朝鮮のアン・グァンイル駐インドネシア大使と短時間、対話した。両氏が直接会うのは初めてとみられる。朴氏はアン氏に対し「会えてうれしい。ASEANの専門家として合理的な方だと聞いている」とあいさつ。「(6月に任命された)チェ・ソンヒ外相に就任の祝意を伝えてほしい」と述べた。一方、アン氏はその後、記者団から朴氏と会ったことを問われ、「何の話もしなかった」と語った。
また、朴氏は4日、林芳正外相と約30分間にわたって会談した。日韓関係の改善に向け、日韓最大の懸案である元徴用工問題や慰安婦問題などに関して、両国間の懸案の解決を目指して協議を加速させることで一致した。両氏の会談は先月18日に続き2回目。朴氏は会談後、記者団に「先月訪日した際、林外相と今後韓日両国の外相間の『シャトル外交』を通じた持続的な対話の推進に共感したことに基づいた会談だ」と説明し、「今日は短い時間だったが、両国間の過去を直視し、未来志向的に関係を発展させていくための案と、両国の懸案及び相互関心事について真剣に意見を交わした」と明らかにした。また、「朝鮮半島の状況が厳しいため、韓国と日本、そして韓米日3か国の協力を持続的に進めていくことで一致した」と述べた。
一方、このASEAN関連外相会議での日韓外相会議をめぐっては、自民党の外交部会が開催すべきでないと外務省に申し入れた。日韓間で元徴用工問題などの解決に向けた話し合いが始まった中、先月29日、韓国軍が島根県の竹島(韓国名・独島)周辺で軍事訓練を行ったことを理由に、林外相に対し、朴氏との会談に応じないよう求めていた。
さらに朴氏は、5日の外相会議の直前、ロシアのラブロフ外相と会話を交わした。朴氏が「北朝鮮の核実験準備により、朝鮮半島の緊張が高まっている」と懸念を伝えると、ラブロフ氏は「tit for tat(仕返し)」との表現を用いて返答があったという。「朝鮮半島の緊張の原因は韓国と米国にも責任がある」という趣旨の発言とみられている。朴氏はロシアのウクライナ侵攻についての懸念も伝えた。
朴氏は同日、米国のブリンケン国務長官とも約30分間にわたって略式会談を行った。朴外相は韓国の対北政策のロードマップについてブリンケン氏と議論し、北朝鮮による核実験が近く行われるのではとの警戒感が高まる中、これに関連して緊密に連携していくことで一致した。
プノンペン滞在中、朴氏は4つの外相会議と15の2国間会談・略式会談のスケジュールを消化。朴氏の活発外交について、ヘラルド経済は「日程を終えた後、プレスセンターで記者懇談会を行った朴氏の声はかれていた」と伝えた。
朴氏はユン・ソギョル(尹錫悦)政権で最初の外相として就任。2001年に政界入りし、現在、国会議員4期目。党内きっての「米国通」とされ、2008年には外交通商統一委員長、現国会では外交統一委員会委員を務めている。ムン・ジェイン(文在寅)前政権の外交政策には批判的立場を取ってきた。
外交部長官候補に指名された当時、朴氏は「国際情勢が急変する厳しい時期に、外交部長官の指名を受けることとなり、重い使命感を感じている。新しいグローバル外交の地平を開けるよう最善を尽くす」とコメントしている。また、尹氏は指名当時、朴氏について「対外外交の戦略に精通している。韓国が国際社会で中心的な役割を果たすことに貢献できると判断した」と指名理由を説明している。
尹氏と同じく日韓関係改善にも意欲を示しており、5月に就任後、林外相とは既に2回会談しており、先月19日には岸田文雄首相とも面会した。日本の首相が韓国の外相と面会するのは2018年7月以来、約4年ぶりのことだった。
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