キム・ヒョンス の最新ニュースまとめ
「慰安婦をたたえる日」は2018年から施行されている韓国の記念日。元慰安婦のキム・ハクスン(金学順)さん(1924~1997年)が、自身が日本軍の慰安婦だったことを初めて公の場で証言した日にちなみ制定された。
金さんは1991年8月14日、「私は日本軍『慰安婦』被害者の金学順です。これまで話したくても勇気が無くて口を開くことができませんでした。いつかは明らかにすべき歴史的事実であるため、打ち明けることにしました」と涙ながらに証言した。
金さんの証言は、慰安婦動員の過程で旧日本軍の関与などを認めて日本政府が謝罪した1993年の河野談話や、2007年に米国下院が慰安婦問題で日本政府に公式謝罪を求める決議を採択したことにつながった。韓国国会は2017年11月、「日帝下の日本軍慰安婦被害者生活安全支援と記念事業などに関する法改正案」を可決。改正法により2018年から8月14日を「慰安婦をたたえる日」と規定した。以来、この日には慰安婦問題を国内外に伝え、記憶することを目的に記念式典などが行われている。
「慰安婦をたたえる日」を前に10日、ソウルの日本大使館近くでは、この記念日の関連集会と、慰安婦支援団体「日本軍性奴隷制問題解決のための正義記憶連帯」(正義連)が慰安婦問題の解決を求め毎週水曜日に行っている「水曜集会」が同時開催された。
正義連のイ・ナヨン理事長は「毎年、慰安婦被害者をたたえる日に合わせ国内外の多くの人が被害者の人権と名誉の回復、平和な世界を願う活動をしてきた」とし、「それにも関わらず、日本政府は被害者の存在を消し、否定している」と批判した。また、ユン・ソギョル(尹錫悦)政権は韓日関係改善の条件として慰安婦問題の解決策を示すよう求める日本政府に対し、2015年の韓日合意の精神を尊重するとして屈従的な姿勢を貫いているとし、「われわれはこれに屈することなく、より多くの世界市民と手を取り合い、連帯して声を上げる」と強調した。
一方、14日に開かれた政府主催による「慰安婦をたたえる日」の記念式典に、尹大統領はメッセージを見送り、元慰安婦のケアなどを担っている女性家族部(部は省に相当)から、キム・ヒョンスク長官が動画メッセージを送るにとどめた。政府主催の記念式典が始まったのは2018年からだが、当時の文大統領は式典で演説。2020年と昨年は新型コロナウイルスの感染拡大によりオンラインで開催されたため、文氏はビデオメッセージを寄せた。昨年のビデオメッセージで文氏は、日本への直接的な批判を避けたものの、「生きている間に恨(ハン)を解いて差し上げられず申し訳ない」とした上で、「被害者中心の問題解決という国際社会の原則を守り、一人ひとりの名誉を回復し心の傷がいえるように支援する」と語った。
前政権とは対照的な姿勢に、支援団体のみならず、野党も批判を強めており、「共に民主党」のパク・ホングン(朴洪根)院内代表は11日、元慰安婦が冷遇されているとし、慰安婦問題について「政権が交代しても決して忘れられたり、埋もれたりしてはならない問題」と指摘した。また、同党のウィ・ソンゴン議員は「最近、日本の一連の妄言は尹政権の自尊心を捨てた屈辱外交が影響した」と批判した。
韓国の全国経済人連合会が、日韓の成人男女1600人余りを対象に実施し、11日に発表した「韓日国民認識調査」の結果では、関係改善を図るに当たって「未来志向の関係改善が必要だが、歴史問題の解決も伴わなければならない」との回答が韓国では51.1%と最も多かったのに対し、日本は「既に謝罪済みで、さらなる謝罪は必要ない」との回答が60.8%と最も多かった。
一方、関係改善に向けて、過去と未来のうち、どちらを優先して考えるべきかを問う質問には、韓国の53.3%、日本の88.3%が「未来」と答え、両国民がいずれも未来を重視していることが分かった。
日韓関係の改善を急ぐ尹政権は、関係破綻となる事態をひとまず回避するため、日本企業の資産の現金化が迫る元徴用工訴訟への対応を優先している状況だ。
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