韓国内のコメ消費を促進するだけでなく、海外のグルテンフリー(gluten-free)市場まで攻略できるという点で、業界では一石二鳥の効果を期待している。
韓国の食品業界によると、CJ第一製糖やSPCなどの食品会社が8月初旬に農林畜産食品省から粉質米1トンの提供を受け、代替小麦粉の製品化に向け研究を始めた。具体的には小麦製粉設備を活用して粉質米の普及を拡大し、粉質米によるラーメンやパン、餃子の皮などの食品を開発する計画だ。
粉質米は水にふやかす必要がなく、米をすぐに砕いて粉にできる品種だ。粗いデンプン構造を持っており、小麦粉と類似した属性を持つ。それに比べて「うるち米」は、水にふやかした後に砕く「湿式製粉」を利用するしかなく、粉生産費用が小麦より2倍以上高い。そのため、これまで製品化と大量生産が容易ではなかった。
一方、韓国農林畜産食品省は改良品種「バロミ2」で粉質米の開発に成功している。同省は2027年までに加工専用粉質米粉20万トンを供給し、年間小麦粉使用量200万トンの10%を代替する計画だ。
韓国内で小麦粉の自給率が1%にも満たないだけに、当局は食糧安保レベルで、企業はコスト削減レベルで粉質米の開発に積極的に乗り出している。
CJ第一製糖の関係者は「粉質米は今まで一度も製品に使われたことがなく、製品化研究の初期段階にある。小麦粉の自給率が低い中で、企業が原材料価格に影響を多く受けるため研究に乗り出した」と説明した。
SPC関係者は「7月に農林畜産食品省が提案した『米粉産業発展協議体』で、製品化のための努力を続けている。SPCはすでにかなり以前から米消費促進のための研究開発を積極的に実践している。今後も関係当局と緊密に協業する計画だ」と述べた。
この他にも、粉質米は韓国内だけでなく、海外のグルテンフリー市場まで攻略でき、市場潜在力が大きいという分析が出ている。グルテンは小麦や麦、エンバク(オーツ麦)などの穀物に含まれた不溶性タンパク質で生地を膨らませ、食感に弾力性を加える。
しかし、西洋ではグルテンアレルギーのある人が多く、グルテンが胃腸の健康を害するという研究もある。そのため、グルテンフリー食品市場が急浮上している。コメはグルテンを含まない穀物で、西洋ではコメ加工食品の人気が毎年増加しているという。
グルテンフリー食品市場の規模も毎年拡大している。ユーロモニターによると、昨年のグローバルグルテンフリー市場規模は78億5890万ドル(約1兆円)で、前年比3.7%成長した。
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