11日、キョンギド(京畿道)コヤン(高陽)市のSONO Calm高陽ホテルで開催された「TSシャンプー・プラダクPBA-LPBAチャンピオンシップ」のLPBA決勝で肥田緒里恵は、イ・マリ(51)をセットスコア4対2で大会トップの座についた。男子の部のPBAを含めた韓国プロビリヤードツアーで日本国籍の選手が優勝したのは今回が初めてとなる。
初優勝を果たした肥田緒里恵は、優勝賞金2000万ウォン(約200万円)と優勝ポイント2万点、準優勝のイ・マリは賞金600万ウォン(約60万円)とランキングポイント1万点を獲得。また大会ごとに1試合で一番高いアベレージを記録した選手に与えられる「ウェルカム貯蓄銀行ウェルバントップランキング賞」は、ベスト64戦でアベレージ1.600を記録したスロン・ピアビ(ブルーワンリゾート)が受賞した。
90年代半ば、3クッションの選手としてデビューした肥田緒里恵は、「世界女子3クッション選手権」で4度も優勝し、日本女子3クッション界の“生きる伝説”として活躍してきた。昨シーズンにPBAの舞台に飛び込んだが、シーズン初めに目の網膜剥離の症状で手術をし、大変な時期を過ごした。
復活した肥田緒里恵は、今シーズンの成績は上昇し続け始めた。2回のツアーでベスト8に進出するなどLPBAに適応した様子を見せ、今大会の優勝でついにLPBAの頂点に立った。
敗れた「韓国女子ビリヤード第1世代」のイ・マリは、プロデビュー(2019-20)シーズンからLPBAに挑戦し続け、今大会ベスト4で“ビリヤードの女帝”キム・ガヨンを破るなど、初優勝に向けて挑んだが惜しくも手が届かなかった。
決勝で肥田は最初のセットを3イニングだけで11点を獲得して11対7。第2セット2位イニングで得点を重ね始めたイは3イニングで4得点の5対1、8イニングに2得点で8対6、11イニングに2得点と13イニング11対9で勝利を収め、セットスコア1対1の均衡を保った。
第3セットで再び肥田が、3対6で迎えた8イニングでハイラン4点を獲得して7対6とひっくり返すと、14イニングでバンクショットを含めた3得点を追加して11対10の逆転。その勢いで肥田は、2対3で迎えた6イニングでハイラン5点を獲得して12対3とし、12イニング11対3で終えてセットスコア3対1でリードした。
第5セットでイも集中力を発揮して追撃に成功したが、第6セット14イニングで7対7の同点に。肥田の決定的なバンクショット2回によって11対7で勝負が決まり、セットスコア4対2で肥田が見事優勝カップを手にした。
優勝後、肥田は「つらい時間を過ごし、ついにトップに立ててとてもうれしい。やっとスタートラインに立った。キム・ガヨン、イ・マリ、スロン・ピアビといったトップ選手たちと肩を並べられるよう、もっと頑張りたい」とコメントした。
また、「韓国に進出してから目の負傷で苦労したが、所属のSKレンタカーチームに支えられて優勝という最高の結果を出せて、少しでも借りを返せたようで感謝している」と伝えた。試合中では常に「今回が最後だ。ベストを尽くそう」と呪文のように唱えていると明かし、日本から応援に来てくれたファンや家族にも感謝した。
肥田は、今大会ベスト128サバイバルを組別1位で通過後、ベスト8で韓国1位のスロン・ピアビをセットスコア3対1、ベスト4でキム・ボミをセットスコア3対1で破って決勝に進出した。
決勝戦は3時間に及ぶ激しい戦いを繰り広げたが、YouTubeチャンネルでは深夜の時間帯にも関わらずリアル視聴者数が2万600人を記録してビリヤード人気を伺わせ、大会は大成功となった。
[決勝]肥田緒里恵 vs イ・マリ 第6セット[TSシャンプー・プラダク LPBAチャンピオンシップ2022]
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