尹夫妻は18日午後にロンドンのスタンスタッド空港に到着。翌19日に国葬に参列した。尹大統領夫妻はフランスのマクロン大統領夫妻らと同席した。
19日午後には自身のSNSも更新し「英国のみならず、世界中が女王エリザベス2世の逝去を悲しみ、尊敬の念で追悼している。自由と平和という人類普遍の価値を目指した女王の献身を忘れない」などとつづって悼んだ。また、女王が即位した朝鮮戦争当時、英国は米国に次いで2番目に多い、5万6000人を派兵したことに触れ「今の韓国が享受している目覚ましい繁栄が、参戦兵士の犠牲と献身に基づいていることを忘れてはならない」とした。
韓国メディアはさまざまな角度から女王の国葬を伝えているが、中央日報は国葬の前日に行われた国王主催のレセプションなどの際、各国の首脳から、尹大統領に対して近く韓国を訪問したいとの打診が相次いだと報じた。
同紙によると、ブータンのワンチュク国王夫妻やニュージーランドのアーダーン首相、モンゴルのオヨーンエルデネ首相らが尹大統領夫妻と会い、K-POPや韓国料理、韓国ファッションなどについて取り上げ、自身らも「韓国のファンだ」と話したという。韓国大統領室の関係者によると、ブータン国王夫妻は「ブータンでは若い人たちが一度も韓国に行ったことがなくてもドラマを見ながら韓国語を学んでおり、韓国料理店も人気が高い。K-POPも非常に有名」と述べた。ブルネイのボルキア国王やパキスタンのシャリフ首相らからは、「近く韓国を訪問したい」との打診があったという。
大統領室の関係者は「女王を追悼するために遠方から来た弔問客のための歓迎行事ではあったが、尹大統領夫妻が各国首脳や貴賓に囲まれる珍風景が見られた」と話した。
しかし、当初の予定では、国葬の前日の18日、尹氏はウエストミンスター宮殿内のウエストミンスターホールに安置されている女王のひつぎを弔問することになっていた。ホールは15~18日まで一般公開され、女王を弔問するために多くの人たちが集まり、長い列ができた。尹氏はこの場に行けなかったのだ。一方、主要各国の首脳たちの多くは国葬の前日、ホールを訪ねて拝礼し、弔問録への記帳を済ませた。しかし、尹氏はこの日レセプションのみ出席した。
国葬前に女王の棺に拝礼できなかったことについて、キム・ウンヘ大統領広報首席は「英国王室側から、交通事情で18日午後遅くに到着した首脳は19日に記帳してほしいと案内された」と説明した。尹氏が現地に到着したのは18日午後だった。
尹氏は国葬参列後、英国王室が用意した場所で「故エリザベス2世女王の冥福を祈り、英国王室と国民にお悔やみ申し上げます。自由と平和を守るために尽力された女王と同時代の時間を共有できたことを光栄に思っております。永遠に記憶にとどめます」と記帳した。
韓国紙のハンギョレ新聞は「『弔問外交』のためにロンドン行きを決めたのにも関わらず、国葬前の拝礼に日程を合わせられなかったのが単なる現地の交通状況のせいなのか、事前に英国王室との時間調整が適切に行われていなかったのか疑問が残る」と指摘した。最大野党「共に民主党」のアン・ホヨン首席報道官は「尹大統領夫妻は一体何をしに英国に行ったのか。なぜ他の国の首脳は弔問できたのに、大韓民国の大統領はできなかったのか。尹政権が発足してまだ4か月だが、『外交惨事』だけが続いている」と批判した。また、大統領府の元儀典秘書官のタク・ヒョンミン氏も「民間機に乗って移動するのではないため、いくらでも飛行機の時間を早めることも遅らせることもできる。1、2時間でも早く行くべきだった」と指摘した。
尹氏の今回の弔問外交は、評価と批判の両面を受けた形となった。
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