韓国国民の多くが北朝鮮の非核化に懐疑的な考えを示したことが分かった。写真はソウルの戦争記念館に展示されたミサイル=(聯合ニュース)
韓国国民の多くが北朝鮮の非核化に懐疑的な考えを示したことが分かった。写真はソウルの戦争記念館に展示されたミサイル=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国国民の9割以上が、北朝鮮の非核化について懐疑的な考えを持っていることが分かった。ソウル大統一平和研究院が22日公表した意識調査の結果によると、北朝鮮の核放棄は不可能だと答えた人の割合は92.5%で、2007年に調査を開始してから最も高かった。 北朝鮮が武力挑発を行う可能性があるとの回答も、昨年の56.3%から今年は60.9%に上昇した。 南北統一が必要だとする回答は46.0%にとどまり、21年(44.6%)に次ぎ2番目の低水準となった。 統一が不要な理由としては、34.1%が「経済的負担」を挙げた。「南北間の政治体制の違い」が21.5%、「統一後に生じる社会的問題」が20.3%と続いた。 統一が可能な時期としては「5年以内」を挙げた人が1.3%、「10年以内」は5.9%で、いずれも調査開始以来最も少なかった。 「統一は不可能だ」とする回答は31.6%で、過去最高を記録した。統一の可能性に対する否定的な反応は年齢層が低いほど多かった。  ソウル大統一平和研究院の金範洙(キム・ボムス)教授は「若年層を中心とする統一の必要性に対する否定的認識は、ここ数年間の調査で一貫して現れる現象だ」と述べ、20~30代を中心に統一が不可能だという認識が広がり、統一に対する無関心と現在の分断体制の維持を望む認識につながっていると分析した。 一方、韓国政府の対北朝鮮政策に対する満足度は上昇に転じた。 「現在の対北政策に満足している」との回答は18年が64.4%、19年が55.6%、20年が36.3%、21年が34.4%と下落したが、今年の調査では45.5%を記録した。 韓国の核武装に賛成した人は昨年から10ポイント急増した55.5%で、調査開始以来最も多かった。 周辺国に対する認識調査では米国に親近感を感じ、中国を警戒する傾向が続いている。 「どの国を最も身近に感じるか」との質問には80.6%が米国を挙げ、北朝鮮は9.7%、日本は5.1%、中国は3.9%、ロシアは0.5%だった。 「どの国が朝鮮半島の平和に最も脅威を及ぼす国か」との質問には、回答者の44.0%が中国を選んだ。続いて北朝鮮(36.9%)、ロシア(8.5%)、日本(7.3%)の順だった。 今回の調査はソウル大統一平和研究院が世論調査会社の韓国ギャラップに依頼し、7月1日から25日まで全国広域自治体(17市・道)の満19歳以上の男女1200人を対象に実施した。
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