もともと日韓間では、人的交流の活性化などを目的に、2006年3月1日から90日以内の滞在であれば相互にビザなしでの往来を認めていた。しかし、新型コロナの感染拡大に伴い、2020年3月にビザ免除の運用を停止し、発行済みビザについても効力を停止した。
日本政府は新型コロナウイルスの感染拡大の防止を目的に受け入れを停止していた外国人観光客の受け入れを今年6月に再開するも、当初は1日当たりの入国者数の上限を2万人に制限。感染拡大を防ぐため添乗員付きのツアー客に限定した。韓国では一時的に、日本へのツアーの予約が急増したが、入国条件の厳しさから、その後、キャンセルが相次いだ。
日本政府は今月7日から、日本人の帰国者も含めた入国数の上限を1日当たり2万人から5万人に引き上げたほか、ワクチンの3回目接種証明があれば、入国時の陰性証明の提出を免除する緩和に踏み切った。しかし、先進7か国(G7)で唯一、入国者数の上限設定を維持。ビザなし入国も認めていない。
木原誠二官房副長官は今月11日、出演したフジテレビの番組で「円安だからインバウンドが最も(経済に)効く。今の緩和策で事足りているかと言えば足りてはいない。これから秋に向かって海外から日本に来たいという外国の方は多数いる。世界が交流を再開しており、遅れを取ってはいけない」と指摘。入国者上限の撤廃や個人旅行解禁に加え、ビザ免除にも触れ、「一体的に見直す。そう遠からずやる」と述べた。
そして岸田首相は22日、米ニューヨークで開かれた日本の食文化などを発信するレセプションに出席した際、来月から新型コロナの水際対策をさらに緩和する方針を表明した。岸田氏は「世界中の方々から、『いつから日本に旅行できるのか』という声をいただいている。来月以降、水際対策をさらに緩和する。訪日して日本食を味わっていただく計画を立ててもらいたい」と呼び掛けた。政府は現在、入国者数の上限を撤廃するとともに、個人旅行を認め、さらに短期滞在のビザも免除する方向で調整を進めている。
韓国では、今月7日からの日本政府の水際対策緩和によって既に日本への旅行予約が急増している。旅行会社モドゥツアーによると、日本への旅行予約(今月1~16日)は緩和策発表前よりも24倍(前月同期比)も増えた。また、海外旅行予約のうち、日本への予約は21%を占めている。
韓国の旅行業界は、来月からの日本におけるさらなる水際対策緩和により、日本旅行の需要が一層高まるものとみて、期待を寄せている。旅行会社のハナツアーの関係者は、韓国紙・中央日報の取材に「日本は韓国で旅行需要が最も多い地域であり、日本旅行の再開に対する期待が大きい。旅行客の安全と利便性のために、新しい商品とサービスで顧客の期待に応えたい」と意気込んだ。同社は現在、東京や名古屋、大阪、京都、九州など目的地別の「待っていた日本旅行」と題する旅行プランを出した。
また、日本への個人旅行が認められる見通しとなり、個人による航空券やホテルなどの予約件数も増加している。チケットサイトのインターパークが運営する旅行プラットフォームのトリプルは、朝鮮日報の取材に「日本行きの需要が急激な伸びを見せている」と話した。
需要拡大を見越し、韓国の航空業界も日本路線の拡大に乗り出した。格安航空会社(LCC)のエアソウルは日本行きの3路線を順次再開する計画。今日27日からはインチョン(仁川)-成田路線の運行を再開する。
旅行会社べリーグッドツアーのシン・ソルギョン日本チーム課長は聯合ニュースの取材に、日本旅行は新型コロナの流行前の2019年から日本製品の不買運動の影響を受けたため、ペントアップ需要(抑えられていた需要)があると予想し、「短期滞在ビザの取得免除で全ての障害が取り除かれ、第2の日本旅行好況期を迎えるだろう」と話した。
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