【ソウル聯合ニュース】韓国国防部は4日、国会国防委員会による国政監査に対し、北朝鮮が核実験を実施できる状態を維持しており、液体燃料の新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)と潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)の発射実験も準備していると報告した。北朝鮮はこの日午前、中距離弾道ミサイル(IRBM)を発射している。 国防部は「北は寧辺原子炉など主要な核施設の正常稼働と核実験が可能な状態の維持、核能力の高度化に向けた努力を続けている」と報告した。 李鐘燮(
イ・ジョンソプ)同部長官は国防委員会所属の野党議員から北朝鮮が核実験準備を完了した時期を問われ、「今年5月ごろ」と答えた。核実験の実施時期については予断を許さないとした。 北朝鮮が核実験を実施すれば7回目となる。李氏は「(実際に)使用するための小型(核兵器)かもしれないし、(6回目核実験の時より)もっと威力が大きいかもしれない」との見解を示した。 国防部は核の先制攻撃をちらつかせる北朝鮮を抑止する対策として、圧倒的なミサイル・特殊戦能力の向上をはじめとする韓国型3軸体系の強化計画を挙げた。3軸体系は、北朝鮮のミサイル発射の兆候を探知して先制攻撃するキルチェーン、発射されたミサイルを迎撃する韓国型ミサイル防衛体系(KAMD)、北朝鮮から攻撃された場合に指導部などに報復攻撃を行う大量反撃報復(KMPR)からなる。 国防部は中でも、北朝鮮の核使用の意志をくじくために圧倒的な攻撃能力の向上に努めていると説明した。陸海空での高威力・超精密ミサイルの実戦配備と、敵の首脳部を除去するいわゆる「斬首作戦」を担う特殊戦部隊の能力強化を挙げた。 北朝鮮の核・ミサイル関連状況を常時監視する目的で映像情報を収集する機器と、多様な映像情報を自動的に融合、分析、伝達するシステムの確保にも取り組んでいる。中高度の無人航空機(UAV)開発後の量産、超小型衛星システムの開発なども進めるとした。 また、韓米は北朝鮮の核を抑止するために連携強化を図っており、外交・国防高官級による拡大抑止戦略協議体(EDSCG)の再稼働と定例化で成果を出していると国防部は評価した。9月のEDSCG会合後に韓米は共同声明で「いかなる核攻撃にも圧倒的かつ決定的な対応を取ることを改めて確認した」と表明した。国防部によると、「いかなる核攻撃」という表現は、近ごろの北朝鮮の戦術核開発を考慮して今回初めて取り入れた。 北朝鮮の長距離砲への対応システム強化としては、対砲兵レーダーや230ミリ級多連装ロケットシステム、GPS(全地球測位システム)誘導爆弾などを年内に実戦配備する予定だ。 周辺国の脅威には積極的に対応する姿勢に転じた。国防部は、周辺国の軍艦が韓国の管轄海域に進入すればその距離と回数に応じて対応していると説明した。周辺国の軍用機が韓国防空識別圏(KADIZ)に無断進入する場合に備えた段階的な措置も準備している。
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