訓練は、北朝鮮で発射準備の兆候が確認されている、潜水艦発射弾道ミサイル(SLBM)に対応することを目的に行われた。日米韓3か国が日本海上で合同訓練を実施するのは、2017年4月に韓国南部のチェジュ(済州)南方の日韓の中間水域の公海上で対潜水艦訓練を行って以来、およそ5年ぶり。
潜水艦は水中を航行するため、ミサイルの発射地点を探知しにくい。そのため脅威となる潜水艦を予め見つけて対処する必要がある。訓練には、米海軍の原子力空母ロナルド・レーガンや海上自衛隊の護衛艦「あさひ」などが参加した。
3か国の合同訓練をめぐっては、これまで日米が朝鮮半島の水域で実施することを繰り返し提案してきた。だが、ムン・ジェイン(文在寅)前政権は、日本の自衛隊が朝鮮半島周辺に進入することへの懸念と、この演習が名目上は北朝鮮の脅威に対抗することを目的に掲げているものの、実際は中国とロシアをけん制するためのものであると主張して提案を拒否してきた。
今回、およそ5年ぶりに行われた日本海上での日米韓3か国合同訓練だったが、実施前、野党「共に民主党」の議員は訓練が竹島(韓国名・独島)から約150キロの場所で行われることを問題視。「有事の際、朝鮮半島に日本の自衛隊の介入を許容するということなのか」と韓国政府を批判した。同党のアン・ギュベク議員は「日本が単独で、あるいは日米が合同訓練をするのではなく、韓国の国軍が快く日本の海上自衛隊と合同訓練をするということだ」とし、「有事の際、朝鮮半島に日本の自衛隊介入を許容するということなのか、ユン・ソギョル(尹錫悦)政権の安保思想に疑問を感じる」と批判した。さらにアン氏は、日韓の懸案問題にまで話を広げ、「強制徴用(元徴用工問題)も慰安婦問題も韓国政府が解決策を持ってこいという態度の国と軍事作戦を、それも独島の150キロの近い場所で行うとは話にならない」とし、「『共に民主党』は大韓民国の国家安保の棄損を決して看過しない」と怒りをにじませた。
訓練後も「共に民主党」は批判を続け、イ・ジェミョン(李在明)党代表は、7日の党最高委員会議で「極端な親日行為」と非難。「日本を巻き込んで韓米日の合同軍事訓練をすれば、日本の自衛隊を正式な軍隊として認めると解釈されかねない。国防惨事だ。韓国の国防が韓国の軍事安保を守るのではなく、日本の軍事的利益を守るということ」と批判した上で、「国民は韓米日の軍事同盟を望んでいない。国民の間ではもしかすると局地戦が起きるのではないかという懸念が徐々に高まっている」とした。また、「日本の軍事大国化を支えかねない合同訓練に対し、政府が明白に謝罪し、再び韓米日の合同軍事訓練をすることはないと約束しなければならない」と述べた。
一方、与党「国民の力」のソン・イルジョン議員は「日本を引き込んで反日感情を煽(あお)り、(朝鮮王朝末期の抗日反乱を題材にした歌)チュクチャンガ(竹槍歌)を歌いながら扇動することが、かつての大統領選挙の走者(候補者)、党代表として話す言葉なのか」とし、「攻防に対する概念さえもない李代表は本当に気の毒だ」と批判した。
ユン・ソギョル(尹錫悦)大統領は6日、岸田文雄首相と電話会談した。両首脳は北朝鮮が相次いでミサイルを発射していることについて、朝鮮半島はもちろん、北東アジアや国際社会の平和と安全を脅かす深刻かつ重大な挑発行為だとして強く糾弾。北朝鮮への厳しい対応のために協力することで一致した。
日米韓3か国は先月30日に続いて6日にも防衛訓練を実施した。北朝鮮の弾道ミサイルによる挑発を想定し、標的情報を共有して探知、追跡、迎撃を行うことに重点を置いて訓練した。3か国が2週連続で訓練を行うのは初めて。韓国軍の合同参謀本部は「防衛訓練により、北のミサイル挑発に対応できる作戦遂行能力と体制をさらに強固にする」とした。
北朝鮮がミサイル発射を繰り返す中、3か国の連携の重要性は増している。
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