データセンター1か所の火災で、韓国のインターネット全体が大混乱に陥った。ICT業界では今回の事故をきっかけに、2020年にインターネット企業の反発により頓挫(とんざ)していた「インターネットデータセンター国家災難管理基本計画包括法(改正放送通信発展基本法)」の制定に弾みがつくとみている。
科学技術情報通信部によると、この日の火災は午後3時19分ごろにSKC&C板橋データセンターの電気室から発生した。以降、午後3時22分に感電防止のためにサービス電源を遮断した。現在SKC&Cと消防当局が共に現場で配線を点検中で、電源を順次供給する予定だ。
消防当局は15日の午後5時46分に「現在はほぼ鎮火し、完全な消火を確認中」と発表した。その後、午後7時前後に建物の一部に電源を入れた。
しかし、この日の午後3時30分ごろから不通になったカカオは、7時間が過ぎた午後10時30分時点でまだ復旧していない。カカオは午後6時50分にツイッターを通じて「電源供給を再開して2時間以内にカカオトークを含むサービス全体が復旧する見込み」としているが、復旧作業が遅れている。
これに伴い、科学技術情報通信部は「放送通信災難対応状況室」を設置し、行政安全部や消防当局などの関係機関およびSKC&C、カカオ、ネイバーなど障害が発生した事業者と共に徹夜で復旧作業を続けている。
障害の解決が遅れると、カカオのデータバックアップなどに支障が出るのではないかという指摘も出ている。
これに対してカカオのナムグン・フン、ホン・ウンテク両代表は「復旧が遅れていることに対してすべての利用者の方々に心より謝罪申し上げる」とし、「火災が発生した直後、カカオはこの事実を認知してただちに対応措置を開始した」と明らかにした。
両代表は「今回のようにデータセンター全体が影響を受けるのは異例」とし「この措置を適用するのに予想より時間がかかっている。今後、このような事案が発生しても不便を最小化し、迅速にサービスを普段通り利用できるよう、様々な再発防止策を強化する」と約束した。
さらに両代表は「カカオはすべてのデータを国内の様々なデータセンターに分割してバックアップしており、外部の状況に伴う障害対応のための二元化システムを構築している」と述べた。
自社のインターネットデータセンター(IDC)を持たないカカオは、モクトン(木洞)KTデータセンターと板橋SKC&Cデータセンターなどを借りて使用しているが、自社のセンターではないためバックアップや復旧が遅れているのではないのではないかと指摘されている。ネイバーはカンウォンド(江原道)チュンチョン(春川)にある独自のデータセンター「ガク」を使用して自社データの保護を直接管理しているが、カカオは初の自社IDCを2023年にアンサン(安山)市にあるハニャン(漢陽)大学のキャンパス内の革新パークで竣工するためだ。
科学技術情報通信部は今回の事故について、事業者が電気通信事業法など関連法令に伴う利用者告知を行っていたかなどを検証する予定だ。
しかし、2018年11月にKTアヒョン(阿峴)支社地下通信区火災事件以降に推進されたが、インターネット企業の反発で失敗に終わった「データセンター災難管理計画包括法」が今こそ再び議論されなければならないと指摘されている。
共に民主党のアン・ジョンサン科学技術情報通信委員は「当時の法案では政府が災難管理基本計画を作るためにインターネットデータセンター事業者などと協議していたが、通過できず残念」とし、「データセンターの火災によって国民の日常生活にどれほど大きな支障がもたらされるかが分かったため、今こそ再び検討してほしい」と述べた。
Copyrights(C) Edaily wowkorea.jp 107