韓国の韓東勲・法務部長官(資料写真)=(聯合ニュース)
韓国の韓東勲・法務部長官(資料写真)=(聯合ニュース)
【ソウル聯合ニュース】韓国与党「国民の力」の内部から韓東勲(ハン・ドンフン)法務部長官(49)の2024年4月の総選挙出馬を求める声が上がっている。選挙まではまだ時間があるが、尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領のブレーンとされる韓氏が高い知名度を生かし、選挙戦の前面に出ることを期待しているようだ。 韓氏は尹大統領の検察官時代から共に朴槿恵(パク・クネ)元政権の国政介入事件など主な特殊捜査を担当し、尹氏の最側近とされる。尹政権発足後、司法研修院副院長だった韓氏がソウル中央地検長や検事総長などを飛び越えて一気に法務部長官に抜てきされると、韓氏の次のステップを政界に向かわせるための人事との見方が出た。国会人事聴聞会や国会では野党議員らと激しい論戦を交わすなどし、知名度を一気に高めた。 韓氏は各世論調査で次期大統領選候補の一人として名前が上がる一方、国会では野党の集中的なターゲットにされている。今月6日の法務部に対する国会の国政監査では最大野党「共に民主党」の議員から「(総選挙に)出馬する計画があるか」と問われ、「現在、そのような考えはない」と答弁した。 それでも国民の力の内部では韓氏の総選挙出馬説がくすぶっている。同党の趙修眞(チョ・スジン)国会議員は19日のラジオ番組で、韓氏の出馬について、「首都圏を攻略するため新鮮な風が必ず必要だ」と述べ、金在原(キム・ジェウォン)元党最高委員も別の番組で「政界に新しい風を巻き起こすため力を貸してほしい」と呼びかけた。 韓氏の出馬への期待を膨らませている背景には、国民の力の現執行部では総選挙を勝利に導くことが難しいとの判断がある。党大会を控え、尹大統領に近い重鎮ら党代表選の候補は十数人に上るが、中道層を取り込んでの総選挙勝利は確信できないとの指摘が出ている。 尹大統領としては就任3年目に実施される総選挙で与党が国会の過半数を確保し、国政運営の主導権を握りたい。このため総選挙で旋風を起こすことのできる看板の「スター」が切実に求められている。 韓氏を巡っては総選挙の出馬前、党代表選に挑戦するシナリオも取り沙汰されるが、現実的には困難とみられる。金氏は「法務部長官になったばかりなのに、与党代表選に出るとある政治勢力の代表として長官(の職務)を遂行したかのように見えるため、容易ではなさそうだ」との見方を示した。
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