「世界最高の国ランキング2022」は、TIMEやNewsweekと並ぶ米国3大時事週刊誌「U.S.ニュース&ワールドレポート」がマーケティング・コミュニケーション専門企業VMLY&Rの系列会社BAVグループとペンシルベニア大学ウォーン校に調査を依頼して実施された。全世界の約1万7000人を対象に、世界85か国・地域の国力や生活の質、ビジネスの開放度、移動人口、起業家精神、文化的遺産など10の部門を点数化して順位付けした。
韓国は国力部門で総合点数が64.7点となり、6位にランクインした。輸出好調(84点)、経済的影響(79.8点)、軍事力(79.1点)、国際外交(66.4点)などで高得点をマークした一方、政治的影響力(48.6点)、リーダーシップ能力(22.5点)ではさらなる向上が必要な結果となった。1位は米国で、中国、ロシア、ドイツ、英国と続いた。日本は昨年の6位から2段階下げて8位だった。講評では首都・ソウルに注目し「主要輸出品である技術力と自動車を代表するサムスン、現代、起亜の本社があるところ」と紹介。また「近年、家計の可処分所得が増加し、韓国の富裕層に『ブランド』製品への購買意欲が高まっている」と評価した。
国力部門で6位となったことを伝える韓国メディア各社の記事は「韓国、国力世界6位、日本も抑えた」(朝鮮日報)などと「日本より上」を強調する見出しが目立った。
日本経済研究センターによる「アジア経済中期予測」は、1人当たりのGDP(国内総生産)について、韓国は2027年に約4万5000ドル(約674万円)に達し、日本を追い越すとの試算を明らかにしている。さらに、2035年に韓国のGDPは6万ドルを上回り、5万ドル台の日本を大きく引き離すと予測している。
2000年から2020年の間に日本の一人あたりの名目GDPは1.02倍にしかならなかったが、韓国は2.56倍になった。日本が停滞している一方で、韓国が急成長を遂げたことがわかる。
経済力を比較する材料の一つである平均年収も、OECD(経済協力開発機構)による2020年の国別ランキングでは、韓国が日本を追い越した。日本は約4万ドルで22位。GDPの総額が世界3位であるのにも関わらず平均年収が世界22位という結果は、日本経済の停滞を意味している。
急速に進んでいる円安も懸念材料だ。TBS系のサンデーモーニングの取材に答えた経済評論家の加谷珪一氏は国力の低下、すなわち日本企業の競争力の低下を指摘した。加谷氏は「80年代までの成功体験にあぐらをかいてしまって、日本の製造業はあまり積極的な技術開発をしなかった、90年代以降、世界市場に占める日本企業の影響力は低下する一方で、円も国際的地位が低下してしまった」と話した。
また、経済同友会の櫻田謙悟代表幹事は19日の定例会見で、「円安のメリットでメリットを総合すると、やはりデメリットの方が多い。より心配なのはこの円安というのは単に日米の金利差、あるいは根本にあるアメリカのインフレーションに基づくものだけではなくて、日本の経済力と国力にもし起因するものが少しでもあるとすると、大変それは心配だ」と懸念を示した。
かつては韓国が「日本に追いつき追い越せ」を原動力に国力を高め、日本の位置を常に気にしていたが、今後は日本が韓国のポジションを気にする時代が来るかもしれない。
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