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25日、健熙氏の2周忌を迎え、ソウル近郊のキョンギド(京畿道)スウォン(水原)市では、遺族やサムスングループの関係者らが出席して追悼式が行われた。財界の一部ではこの追悼式の場が、在鎔氏が会長昇格を控えて出席者にあいさつする場となるのではとの見方があった。
健熙氏は父親の立ち上げた小さな貿易会社を、保険から流通まで手掛ける大企業に育て上げ、中核のサムスン電子は世界有数のテクノロジー企業に成長した。1987年にサムスン電子とサムスングループの会長に就任。「妻と子以外は全て変えよう」をスローガンに、不採算部門を整理し、半導体など成長が見込める分野に巨額の投資を行った。また、「質のためなら量を犠牲にしてもよい」と「品質経営」を説き、会長就任後の約25年間でグループの売上高を約30倍に引き上げた。しかし、2014年に心筋梗塞で倒れて以降、入院生活を送り、2020年10月25日、78歳で死去した。
一方、在鎔氏はパク・クネ(朴槿恵)元大統領らへの贈賄罪などで懲役2年6月の実刑判決を受けて服役。昨年8月に仮釈放され、実質的には経営に復帰していたが、特定経済犯罪加重処罰法上、就業が制限されてきた。しかし、今年8月15日の光復節(日本による植民地支配からの解放記念日)に合わせた恩赦の対象となり、自由な経済活動が可能になった。恩赦を前に発表したコメントでは、「新しく出発できる機会をくださったことに、心から感謝申し上げる」とした上で、「持続的な投資と若者雇用の創出により経済に助力することで、国民の皆様の期待と政府の配慮に恩返ししていく」と決意を示していた。
自由の身となってからは、本格的な経営主導に乗り出している。しかし、韓国紙の中央日報によると、対外経済の不確実性が高まっている中、サムスン内外では、在鎔氏が会長に昇格し、求心力を高めようとするのではとの見方が出ているという。また、在鎔氏はこのところ、主要系列会社の国内外の現場を精力的に視察しており、こうした動きから財界では在鎔氏の会長昇格が差し迫っていると捉える向きがあった。
一方で、在鎔氏は先月、海外出張から帰国した際、年内に会長に昇格する可能性を尋ねた報道陣の質問に「会社がうまくいくことが何よりも大事だ」と語ったことから、在鎔氏は会長昇格より懸案解決に重きを置いているとの見方も出ていた。
こうした中、日経新聞は在鎔氏が来月にも会長に就任する見通しであることを伝えた。ヘラルド経済は、同紙の報道を引用しつつ、会長就任日について、来月1日のサムスン電子創立記念日や健熙氏が会長となった12月1日が有力視されていることを伝えた。
在鎔氏はソウル市出身。1991年にソウル大学を卒業してサムスン電子に入社。その後1995年に慶応大学大学院経営管理研究科修士課程、2001年にハーバード・ビジネス・スクール博士課程をそれぞれ修了した。2012年にはサムスン電子の副会長となり、父の健熙氏が2014年に心筋梗塞で倒れ、一線から退いて以降、健熙氏はサムスンの事実上のトップとして経営を主導してきた。
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