<W解説>サッカーW杯、韓国の初戦で見られた「珍事」と「珍記録」(画像提供:wowkorea)
<W解説>サッカーW杯、韓国の初戦で見られた「珍事」と「珍記録」(画像提供:wowkorea)
24日に行われたFIFA(国際サッカー連盟)ワールドカップカタール2022のグループH第1戦、韓国代表対ウルグアイ代表の試合は日本でも生中継された。日本の視聴者の間では、先発メンバーの「守備陣5人全員がキムさんだ」として話題になった。

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 「キム(金)」は韓国人の姓(名字)で最も多く、韓国の人口の約20%を占める。つまり国民の5人に1人は金さんだ。著名人でも元フィギュアスケート選手のキム・ヨナさんや、日本でも活動する歌手のキム・ジェジュンさんなど、金姓が数えきれないほどいる。また、普段は芸名で活動しているが、本名の姓は金の芸能人も多くいる。一例を挙げれば、世界的な人気を誇るグループ「BTS」(防弾少年団)のメンバーには金姓が3人いる。RMの本名はキム・ナムジュン、JINの本名はキム・ソクジン、Vの本名はキム・テヒョンだ。

 金姓の次に多いのがイ(李)で約14.8%、これにパク(朴)約8.5%、チェ(崔)約4.7%、チョン(鄭)約4.4%と続く。ここまでの5つの姓で全体の半分以上を占める。このことから、韓国では金社長、李先生などと肩書をつける場合以外は、基本的に姓だけで呼ぶことはない。もっとも、仮に「金さ~ん」と呼べば、あちこちから自分が呼ばれたのではないかと反応が示されることになりかねない。

 24日の試合では、韓国代表は最終ラインにDFキム・ムンファン、DFキム・ミンジェ、DFキム・ヨングォン、DFキム・ジンスを先発起用、さらにGKにはキム・スンギュが入り、この試合をテレビで見た日本人視聴者の間ではネット上で「韓国のバックとキーパー全部キム」「後ろ5人全員キムなんだ」などと話題になった。

 日本のサッカー専門メディア「FOOTBALL ZONE」は「韓国では(金は)最もポピュラーな姓で、人口の2割を占めるとも言われるが、11人中5人、それも全て守備陣の選手に固まったのは非常に珍しい光景と言えそうだ」と伝えた。英メディアなど海外メディアも今回の珍現象を報じている。

 この試合で韓国は、攻撃でエースのソン・フンミン(孫興民)が相手の堅守を崩せなかったほか、絶好機でファン・ウィジョ(黄義助)のシュートが外れるなど、1点が遠かった。両国代表ともに好機を生かせず、スコアレスドローに終わった。

 前日にはライバルの日本が強豪ドイツを2-1で破るという大金星を挙げたことから、韓国もこれに続けとばかりに、勝利に一層期待が高まった。韓国メディアのOSENは日本の勝利に加え、サウジアラビアが強豪アルゼンチンに勝利したとしてアジア勢の躍進ぶりに着目。「そのバトンは韓国が引き継ぐ。韓国も大規模応援団の力が切実に必要な時だ」と呼び掛けた。

 スコアレスドローという結果に、韓国メディアは「善戦した」と肯定的に伝えるメディアがある一方、「物足りない」と総括したメディアもあった。ハンギョレ新聞は「11人が一丸となって戦った。意地と根気の間で一貫して推し進めたサッカー哲学は、4年間の信頼で鍛えられ、貴重な勝ち点1として返ってきた」と評価した。一方、東亜日報は「12年ぶりの16強進出を狙う韓国代表にとって、初戦で勝利して勝ち点3を得ることが切実だったが、勝ち点1を手にするだけにとどまった」とした上で、前日の日本の大金星を引き合いに「日本代表が22%しかないボール支配率で強豪ドイツを2-1で破るというサッカーを見せたという点で見れば、この日の試合は物足りなさを感じた」と伝えた。

 試合では前述の珍事のみならず、珍記録も生まれた。対戦した韓国、ウルグアイの両チーム合わせて16本のシュートを放ったが、枠内シュートはゼロ。米スポーツ専門局「ESPN」の英国版「ESPN UK」はツイッターで「今世紀のW杯でこれが起こるのは初めてのことだ」と紹介した。これに海外ファンからは「なんて退屈な試合だ」との声が上がる一方、珍記録だけに「興味深い」との反応も見られた。

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