グループEの日本は、1次リーグ第3戦で強豪・スペインと対戦。前半11分、クロスボールをアルバロ・モラタ選手に頭で合わされて1点を先制された。その後も決定的なチャンスを作れないまま0-1とリードされて前半を終えた。しかし、後半、日本は積極的なプレスで相手ゴールに迫り、3分に堂安律選手がペナルティーエリアの外から左足を振り抜いて鮮やかなミドルシュートを決め同点に。さらに6分には、三苫薫選手のゴールラインぎりぎりからの折り返しに、田中碧選手がゴールに押し込み、2-1と逆転した。日本はその後も粘り強いディフェンスでスペインの反撃を許さず、勝利を飾った。
試合後、森保一監督は「アジアにとっても、ドイツ、スペインという世界最高峰の国に勝てたことは大きな自信につながる。まだ学ばなければいけないことはあるが、アジア、日本のサッカーは世界に勝てると、自信を持って喜びを分かち合いたい」と話した。
スペインに勝利した日本は勝ち点6でグループEの1位となった。5日（現地時間）の決勝トーナメント1回戦で、グループFで2位のクロアチアと対戦する。
スペイン戦は早朝にも関わらず多くの人が応援し、決勝トーナメント進出が決まると日本中が歓喜に沸いた。JR東京駅前では午前8時半前から号外が配られ、通勤途中のサラリーマンなどが次々と受け取っていた。
日本の決勝トーナメント進出のニュースは韓国でも報じられた。東亜日報は「ドイツ代表を撃破した日本代表がスペイン代表も破って死の組を1位で通過する大異変を起こした」と伝えた。
スポーツ専門サイトの「Sportal Korea」は「胃が痛くなるが、日本がアジア最強と認めざるを得ない」と題して試合内容を振り返った。
また、ハンギョレ新聞は森保監督の采配に着目。この日の試合では後半から投入された堂安選手、三苫選手が躍動。ドイツ戦でも森保監督の采配が勝利をもたらしたと話題になったが、この日の試合でも監督の采配が的中した。同紙は「ドイツ戦のように交代カードを活用して一気に雰囲気を変え、逆転まで成し遂げた森保一監督の絶妙な用兵術だった」とした。
また、この日の試合では、日本の2点目がビデオ・アシスタントレフェリー（VAR）で得点が認められた。決勝ゴールにつながった三苫選手の折り返しは、一見するとボールがラインを出たように見え、VARでの確認が入った。結果、約10センチの幅があるラインの縁にわずかにボールがかかっていると判定され、得点が認められた。国際サッカー評議会のサッカー競技規則では、ボールがピッチの外に出たと判定されるのはグラウンド上あるいは空中でラインを完全に越えた時とされている。つまり、地面に接している部分でなくても、ボールの一部がライン上に残っていればプレーは続けられる。
韓国紙の中央日報は、この日の試合でのVARによる確認の場面を取り上げ、「VARも助けた 日本が生き残った決定的場面」との見出しで報じた。同紙は「長いVAR判定の末、ボールはゴールラインから完全には出ず、わずかにラインにかかっていると判断され、結局、日本のゴールが認められた」と経緯を伝えた。
韓国のネット上でも「アジアサッカーの新たな歴史だ」「もはやアジアサッカーの域を越えている」などと驚きの声が相次いだ。
また、韓国のタレント、パク・ミョンスさんは2日、公共放送KBSのラジオ番組に出演し、日本のスペイン戦に言及。「日本はよくやった。上手かったと認める」とした。その上で、3日の韓国の対ポルトガル戦について語り、「われわれがベスト16入りできない理由はないのではないか。（韓国時間の）午前0時に試合が行われるが、その時に勝利と共にすてきなニュース（決勝トーナメント進出）が聞こえてくれば、土曜日と日曜日は楽しく過ごせるのではないか。熱い声援と激励で力を与えたい」などと語った。
その韓国は、ポルトガルに2-1で逆転勝利。1勝1敗1分けで勝ち点4とし、得失点差で並んだウルグアイを総得点で上回って2位となり、3大会ぶりの決勝トーナメント進出を決めた。
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